【完成版】二人の俺から、一人の君へ

　男子高生の高橋尚也は、幼馴染である秋元鈴鹿の様子に違和感を覚えた。
具体的に変な点がある訳ではない。見た目も、行動も、性格も、全ては普段と変わらない。説明は出来ないが、不思議と彼女が彼女でないように感じたのだ。
日に日に増していく疑問に、彼は耐え切れなくなり、ついに彼女に疑問をぶつけた。本当に幼馴染の秋元鈴鹿であるのか、本当に自分の知っている秋元鈴鹿であるのか、真正面から疑問をぶつけた。
　それに対し、鈴鹿は寂し気に笑い、「あたしは尚也の知ってるあたしじゃない」と、肯定する言葉を返した。
　この時、高橋尚也は世界の秘密に触れ、結果的に彼の人生。そして、もう一人の彼の人生を大きく変貌させることになるのだった。
　これは三人の幼馴染と、もう三人の幼馴染のひと夏の事件を描いた、ただの物語。