春は出会いの季節と言うけれど

専用レーンを走ってきたものは……。
うっかり口を滑らせたとはいえ、もらってこまるお礼とは。

僕は修正後の文章しか見ていませんが、独自の世界観が感じられるほっこり出来る作品だと思います。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（171文字）

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（202文字）

短編って割と身構えてしまいます。その世界観に入りこむ前に終わられちゃったり、遊びのないむき出しのストーリーにたじろがされたりと、伝えたいことに置いていかれることが多かったのです。だから、短編とは読むのに気合が必要で、ちょっと時間があるから読書でも、には不向きだと思っていました。本作を読むまでは。

本作は春の風のように穏やかに話にいざない、その世界にふんわり着地したかと思うと、突如度肝を抜き、「は？」「何ですと？」「そう、来るの？」「ん、そうだね……」、と見事にゴールに押し出してくれます。不思議な味わいの余韻つきで。

この緩急がたまりません。

そして一貫してネコちゃんをなでなでしているよ…続きを読む

　企画系の作品になってはいるのですが、それを感じさせない世界観と率直な言い回しが魅力の一作です。

　現実世界と小説での世界観が似ているためすんなりと物語に入り込めます。その上で現実との小さな違いが味を引き立てます。

　大まかな物語の中枢が初めに書かれているにも関わらず、全く先が読めない。そして綺麗なタイトル回収に驚かされます。ぜひご覧ください。