切なさの果てにあるのは、極上の愛

リィンカーネーションという、輪廻にまつわる業を背負った少女、フィアル。

彼女は、全てを諦めきっていました。
そう、シレイスと出会うまでは。

紅き乙女――百年に一度、世界を焼き尽くす使命を命運を繰り返す存在。

冒頭部分、フィアルが記憶を取り戻すまでの描写がとても優しく、丁寧なだけに余計に辛いものがありました。

世界の人から見れば、彼女は敵なのかもしれません。
しかし
彼女は『紅き乙女』という役割をこなしているに過ぎないのです。

長い、長い輪廻の中で。

シレイスに恋心を抱いてから訪れるフィアルの心理描写、その繊細さは読む者を圧倒させます。彼女に背負わされた輪廻を共に追随するのです。

けれどもご安心ください。
ラストには、極上のハッピーエンドが待っています。

忌まわしき理も、きっとこの二人なら打ち破る事が出来るでしょう。
長編化が楽しみな作品です。

是非、切なく細やかな、この作品を読んでいただきたいと思いました。

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