断ち切るのは世界の未来か、繰り返される輪廻の運命か

主人公、修道女のフィアルはとある日、百年毎に世界を尽く灼き払う運命を背負った「紅き乙女」として目覚める。

「紅き乙女」の宿命と、十八年生きてきたフィアルの心の間で生まれる、苦しくも色鮮やかな葛藤が巧みに描かれた本作。

主人公フィアルは「紅き乙女」として、世界の命運を絶つ決意を固めますが……幼馴染のシレイスへの切なくも燃える恋心を以て、繰り返される輪廻の運命に疑問を持ちます。
その過程が、本当に美しい描写で描かれ、「紅き乙女」としての葛藤に苦しみつつも、「恋する乙女」でもあるフィアルの恋心に、私たち読者は胸を高鳴らさずにはいられません!

果たして、「紅き乙女」として目覚めたフィアルがとる選択とは?
世界の未来を灼き、使命を果たすのか。
それとも、愛する人と共に世界を生き、繰り返される輪廻の運命を断ち切るのか。

フィアルの生き様を見届けたいと思わずにはいられない!

運命に翻弄され、恋焦がれる少女の物語が是非、たくさんの方に届きますように!

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