学校ノーサイド、そこにコケティッシュ

　丸々学園。
　F県の中心地から電車で30分揺られた先にある片田舎の私立高校である。

　無駄に広い土地に、無駄に広い校舎、無駄に多い生徒たちが通っていて「勉強はそこそこに、部活動はほどほどに」をモットーに、日々なんとなしに学園生活を送っている。

　内からも、外からも評判はぼちぼち。
　在校生の誰に聞いても「まぁまぁ楽しいですよ」と語り、地域住民はみんな口を揃えて「みんないい子ですよ」とありきたりなことを言う。

　そんな平均的私立高校には、印象的なルールが一条だけあった。
　それは部活動がない、ということ。

　それでも部活がしたい生徒はいる。そんな部活愛好者たちは興味に基づいて連帯し、自主的に活動していた。おおらかな校風がそれを許す風潮もあった。

　しかし、現生徒会長が生徒会長に就任…続きを読む