第30話 ありがとう(第一章:完)

オブラートに包まない。全てを話そう。本心を。


【りな、全てをリセットしよう。付き合っていくことも今後のことも何もかも。昔の幼なじみに戻れたら嬉しい】


図々しいか、さすがにそれは…りなの答えは?


【そっか、それがはるとの答えか…解った】


りな、表情変わらないな。


【りな、ごめん】


【謝らなくていいよ。同棲スタートしなくて良かったね。面倒なことないもんね】


こうなると、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。


【何か、不思議と穏やかな気持ちでいられて、ありがとう。りな。そして、今後もよろしくね】


※バチーン※ いったー!!!!!!!!!りなの渾身の張り手。


【ふー、すっきりした!これで忘れられる!】


【りな…】


【はると、じゃあね。お元気で!】


【りな、近所じゃん、会うことも…】


【暫くは部長代行で…海外暮らしになりそう】


【えっ、そうなの?凄い出世じゃん!】


【うん!!!私、国際結婚現実になるかもよ】


 スゲー、これは!もはや住む世界がレベチ!凄いな、りな。良かったんだね、これで。


【さよなら、はると】


【りな、元気でね】


 りなが去った後のコーヒー☕残ってる。珍しいな、残すなんて。


………………………自宅………………………


【ただいま】


【はると!あんたさ、何やってんのよ!】


お袋、急になんだ?


【何?なんかあった?】


【りなちゃんから連絡あって、何か海外にって、あんたたち同棲とか結婚とかじゃなかったの?凄く歓迎していたのに】


【ああ、りなね。さっき会って俺も聞いたけど】


【あんた馬鹿なの?りなちゃん、涙こらえていたのすぐに解った。電話だけどね。あんたは解らなかったの?まったくもう!あんな可愛い子いないよ】


【解ってるよ、さんざん悩んだ結果だから…】


【昔から知ってるだけにね、りなちゃんのこと凄く残念。本人同士が納得してるなら仕方ないけど、でもさ、何でりなちゃんが泣くの?はると、あんた、本当に後悔しないの?】


【うるさいな…解ってるよ。後悔するかもね。でもさ、ここで同棲してもうまくいかなかったよ】


 もう。解ってるよ。りなの張り手は…俺も痛かったけど、りなのほうがよほど痛かったと思うよ。


【はると、もし間に合うならさ】


【お袋!もう、何だかんだうるさい!間に合っても間に合わなくても、もういいからほっておいてくれ!】


 苦しいんだよ、最初は楽しい、ドキドキワクワクでも別れるとなると何倍もエネルギー使う。


メール…後でいいかな?りなか。何だろう?


※はると、楽しかったよ。お互いに後悔しない人生を送ろうね。いつの日か笑って会える日が来たらいいね。少しの間、さようなら。元気でね※


 りな…今になって気がついたよ。君の優しさが全身を包みこんでくれてるよ。少し後悔してるよ。

幼なじみか。解り合っている長さが余計に辛いよね。決めたのは俺の方なのにね。


幸せにね、りな。いつか会おうね。


………………第一章(完)………………

※ご愛読ありがとうございました。








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