このレビューを目にされた方、この賑やかし祭りに参加されるのも一興です。

 この物語のヒロインは、転勤族の父親と二人で関西を転々とし、そのおかげで様々な方言を獲得した少女です。

 今回、東京の学校に転校してきて、隣の席の男子生徒と付き合う事となりました。
 恋愛に対しての憧れがあり、2人とも初めての交際。
 彼は純情で真っ直ぐな性格です。
 しかし彼女は父親から『東京のオトコは調子よく、口が達者で、騙される』と、すりこまれていました。

 彼女は相手に媚びることなく、自分が思う事をきちんと伝えます。
「あなたは私に、感謝しなければいけません」
 この様な、標準語で話すとカドが立ちそうな内容も、彼女にかかると、
「あんさん、うちにありがたい思わなあかんでぇ~」
 ……何と言う事でしょう。
『そうだな~』という気持ちになってしまう彼氏君。

 方言の魅力を上手に散りばめた、読んでいて楽しい作品です。
 話しのテンポも良く、文章のリズムも快適です。
 この2人の恋愛ごっこ、すらすら読めますので、是非お楽しみ下さい。

 そして、この作品に寄せられたコメントを読みますと、皆さん、怪しい方言を捻り出して書かれているのでしょうか。
 これはやはり、作者さまの人柄が、皆さんを染めているのでしょう。
 ツッコミどころ満載です。
 このレビューを目にされた方、この賑やかし祭りにご参加頂き、作者の裏側『ブラックチェリー』と戯れてみるのも......一興です (^^;

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