最終話 宇宙の彼方と部屋の中

※場面転換


※アパートの外側の廊下を玄関に向かって歩く二人の足音

 

※ガチャ――

↑玄関を開ける音


※買ってきたものが入ったレジ袋を床に置く音


「はーただいま我が家! あー疲れたー。リルア、お前ドラッグストアではしゃぎすぎ」


「え? だって見たことないものいっぱいで楽しかったんだもん! それにしてもチキューはすごいな! カユガセーダ用の武器や装備もたくさんあるし、うまそうな食料もたくさんあるし!! 後でラルカに報告しなきゃ」


「まぁ、楽しかったならよかったよ」


※衣擦れ音


「ねークウガ。リルア疲れたー。一緒に寝よ?」


「えーなんで」


「リルアがクウガと一緒に寝たいから。ダメか?」


「……まぁ、いいけど」


「へへ、やった。……ついでにちゅーも……する?」


「なんでそうなるんだよ……」


「リルアがクウガとちゅーしたいから。ダメ?」


「……まぁ、いいけど。あんまりエネルギー吸い過ぎるなよ?」


「ちゅーしたいだけだから、そんなことしない」


「そうか」


※衣擦れ音


「ちゅっ」

↑リップ音でも可


 そのまま俺は、リルアのキスを受け入れて、仲良く一緒に眠りについた。


 ……俺に抱き着くリルアの身体はやわらかくて、ふにふにとしていて、そして少しひんやりとしていて……落ち着く。


※二人分の寝息



____

______



※ミーンミーンミーン シュワシュワシュワシュワ

↑蝉の鳴き声二種類フェードイン


※チリンチリーン

↑風鈴の音 


――そして、夏本番がやってきた。


「ワレワレハ、ウチュウジンダ」

↑リルアが扇風機で遊んでいる声


 あの日、河原で拾った宇宙少女は、なぜかまだうちに居て


「リルアー扇風機で何遊んでんの。テレビ始まるぞー?」

↑少し遠くでクウガの声

※小さくテレビの音


 うちの棚の上には、なぜかメロンが飾られていて。


「あー!! 待って!! リルアも見るー!!」

※リルアがクウガの元に小走りしていく音


 俺は多分このままずっと、リルアとの生活が続きそうで


※リルアがクウガの胡坐をかいた膝に座った音


「ねークウガ、ちゅーしよ?」


「……いいけど」


 俺はあの日以来、河原に行くことはなくなったけど

あの日感じていた失恋の痛みなんて、すっかり


「へへ……ちゅ」


 俺の膝を定位置に、俺にキスして幸せそうに笑う、この

可愛い宇宙人のせいで、宇宙の彼方に消え去っていた。


「クウガ……大好きっ」


 俺に今あるのはこの、幸せな気持ちだけ。

だから俺は、可愛いリルアの身体を優しく強く大切に、


「ん、俺も好きだよ、リルア」


※抱きしめる音


 抱きしめた——。






――――――――――――――――――――――――


最後まで読んでくださりありがとうございました。


今回は『クセつよ可愛いヒロインが出てくる、音声化したらおもしろい作品』を

テーマに、コンテスト用として書かせていただきました。


他の音声化コンテスト参加作品もよろしくね(・ω・)ノ


*ASMR部門

・癒し屋サキュバスちゃんは あなたに恋しちゃったようです【ASMR】

https://kakuyomu.jp/works/16817330660443194645


・【完結】風邪ひいて病院に行ったら、元高嶺の花が美人で可愛い女医さんになっていて、奥手な俺を一生懸命口説いて来た【ASMR】

https://kakuyomu.jp/works/16817330658855332158




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【完結】失恋して行った河原で宇宙レベルに可愛い女の子を拾ったら、メロメロに懐かれた【音声化コンテスト参加作品】 空豆 空(そらまめくう) @soramamekuu0711

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ