第9話 教育
“教育”と聞けば学生なら学校をイメージし、親であれば我が子の、社会人なら新人に対しての教育(OJT)を連想するのではないだろうか。
今回は社会人の“教育”に対して焦点を当てていこうと思う。
私が思うに、現代の日本における“教育”というのは、会社に入って『御社のルールや立ち回りを教える』という作業的なことが多いように感じる。
それはその会社のみで適用され、例えば同業他社に転職したり、はたまた異業種に転職したりすれば、全く役に立たないことがある。
では文字を置き換えて【社会】として共通していることはなにか?
おそらくそれは「仕事に対しての心構え・姿勢」ではないだろうか。
例えば朝の9時から出勤するとして、15分区切りで打刻が決まっている場合、8時46分から8時59分までにタイムカードなりICカードなりで打刻、もしくは到着していれば“9時出勤”となる。
先に言っておくが、私は長時間労働やサービス残業になんの美徳も感じていないし、勤労な日本人気質の悪しき風潮であると捉えている。
ただ仕事の姿勢を問われた時、1分前に出勤するのは如何なものかと思う。
大抵の管理職はこの“社会人として如何なものか”という不満だけを新人にぶつける。
これでは「理由もなく早く来いと強制された」と捉えかねない。
よくある話ではあるが、私の場合、
・時間内に出勤することは法律違反ではないが、そもそも、何事にもギリギリで行動するとリカバリーができないことが起こる。
・昨日は何時に寝て、何時に起きているのか。
・朝ごはんはちゃんと食べているのか。
ザックリと書いたが、要するに“常にギリギリで行動するとミスが起こりやすくなるぞ”と伝える。
最近では「会社の飲み会に参加するなら残業代を出せ」とか、「法律に違反していないのだから文句を言われる筋合いはない」とか「1分単位で給料支払ってください」とか、まあまあ頭の悪い返答をしてくる新卒などが増えた。
上記に書いたような私の質問に対しても「プライベートに干渉するな」と言ってきた輩も確かに存在した。
会社や社会のルールに接触しないからといって、プライベートで生活習慣の乱れにより自己管理を怠り、業務に支障をきたすということは、会社に損失を与えていることになる。
もっと言えば、履歴書を書いて「働かせてください」と面接してもらったのではないだろうか。
ヘッドハンティングされたひとであれば話は少し変わるだろうが、それでも「徹夜して出勤してミスをした」となれば、咎め無しとはいかないだろう。
【権利を主張して義務を果たさず】
つまるところ、こういったことを指摘されるということだ。
前座が長くなってしまったが、これらの指摘が私が思う【教育】の部分に当たるのではないかと考えている。
実際のところまだまだブラック企業も多く、教育や新人という大義名分を笠に、姑息なサービス残業を強いてくるところもある。
こればかりは経験した上で見極めをしなくてはならないが、そもそも、いまの様々な業種の管理職をみた限り、適切な教育を受けて管理職側に就いていない人が教育側に回るため、悪循環に陥っているのではないだろうかと思う。
人生において(一部の業界を除くと)働く時間というのは、プライベートの時間より長い場合が殆んどだろう。
同業他社のキャリアアップ転職も素晴らしいのだが、私個人としては“異業種の転職を推奨”している。
理由として、”キャリアアップは望めないかもしれないが、段階的に様々な知識と技術、見識が身に付く”からである。
何故そのように考えるようになったかというと、「この会社でしか働いたことがありません」という人の3、40代以降は大抵、男性ならパワハラ上司に、女性ならお局様と呼ばれる立ち位置にいるからである。
【その会社でしか通用しないルールで育つ】ということは、先に述べたように、適切な教育を受けないまま歳を重ね、視野が極端に狭い年配が管理職になっているため、組織として機能不全となっていることが非常に多い。
教師などにも言えるが、ある程度学生のうちに様々なバイトや社会経験などの下積みをしてから教員採用試験を受けるべきではないかと感じたことがある。
また、子供を持つ親でさえも、家庭環境において最低限の良識を学ばせることは最終的に、この国の国益となるのではないかと考える。
私自身、偉そうなことを言える人格者でもないが、自分を精神的に高めたいという気持ちを持ち続けている。
学ぶ姿勢は次の世代へと繋げる架け橋となると信じている。
人と成り となりの席の櫻井さん @MORIZO726
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