偽りはないぜ、覚悟決めてるぜ、スタート切った瞬間から世界は広がるさ

主人公の複雑な気持ちが描けている。
この恋の結末は、読者に委ねられているのだろう。
どうなるのかしらん。

三幕八場で構成されており、実によくできている。
読者への情報の出し方が実に上手い。
「浜田さんと話すの、楽しそうだね」と聞いてしまう。
この時点で主人公は女の子なのだ。
しかも嫉妬したことに対して「失敗した」といっている。
主人公には、女の子の気持ちがあると思う。

「好きなんだ、石崎さんのこと」
彼が告白した後、すぐに「私も」とある。
私も、ということは感情部分は女子。
でも、自分の中で整理し理性的に考え直し、告白とカミングアウトを決意して本作は終わる。

カミングアウトすれば、おそらく彼は失恋する。
二人の恋は終わる。
双方歩み寄りながら、なんとか折り合いを見つけて付き合って行けたらいいなと切に願う。

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