冒頭から登場する東坡肉(トンポーロー)はお肉の照りだけでなく、豚の脂がほどよく滲んだ香りまでこちらに漂ってきそう。
東坡肉の完成間近になって、主人公の鳳璃は気付く。そうだ!桂花陳酒がないんだった。
隠し味となるお酒を買いに行く途中で、それは起こった――。
ああ、はいはいテッパンの異世界転生モノね。などと思ってはいけない。なぜなら作者様は中国に精通していらっしゃる。
ガッツリと本場の中華ファンタジーを踏襲した世界観に、垂涎物の美食が並ぶ。おっと、もちろんイケメンも忘れてはいけない。
なにやら曰くありげな世界で、鳳璃はこれからどう立ち回っていくのか。
読み始めたら目が離せない。
あ、そうだ。今夜は中華にしよう。うん、絶対に。
異世界中華ファンタジーを料理で駆け抜ける!
美食を愛する大学生、鳳璃は異世界に転移してしまう。
飛ばされた先は蘇国。そこから始まるのは――
料理人の名誉を賭けた戦いだった!
どんどんと蘇国の世界にまきこまれていく鳳璃。
序盤こそ、転移したばかりで異世界を生きる為に奮起しながらも和やかな展開でしたが、徐々に不穏が押し寄せます。
鳳璃も負けず嫌いと料理人としてのプライドが存分に伝わって、中華で熱い展開が続き、それによって更なる蘇国の問題にまで巻き込まれていく。
熱い!そして、美味しそう!
話も面白いのですが、作者様の知識による本格中華の飯テロを是非とも堪能していただきたいです!
『蘇国編 第弐章 龍之落子 拾陸 才能喰らいの化け物(レビュー時点での最新話)』まで読んで、レビューを書いてます。
主人公は北京に住む料理好きの女子大生、鳳璃。
彼女はある日とつぜん、見知らぬ世界に転移してしまいます。
とまどう鳳璃でしたが、転移した世界では『美食』が強大な力を持つと彼女は知ります。そして、得意な料理の腕をたのみに、彼女は宮廷厨師に抜擢されるまでになるのですが……
こちらの作品、中国で人気の仙侠小説の一種です。
この作品では料理人が国一番の食仙の座をめぐり、切磋琢磨することになります。
仙侠モノというだけでもカクヨム(もしかしたら日本のWEB小説と言っても良いかも?)では珍しいのに、なんと料理が話の中心に据えられています。
まさに、レア中のレア作品!
中国のWEB小説が好きで、日本語で読める作品がほしいという方には間違いなくおススメです☆(……というか、見逃すと損だと思います)
仙侠は分からないという方でも、中華風ファンタジーのお仕事モノ、その中でも特に料理がたくさん登場する話が好きなら、やはりこの作品はおススメ!
中華料理の描写が実に凝っていて、知識がある人じゃないと書けないクオリティです♪
中華料理の知識も修仙らしさも一緒に味わえて、一度に二度おいしい作品だなって思います。