電波ヒロインにはチャラ系秀才を⑦

「……」


あの啖呵をして、ルーフェスと別れた後。

俺とミアは二人きりになっていた。


……無言の雰囲気が痛い。


〈……その〉


そう思っていると、ミアが口を開いた。


〈助けてくれて、ありがとう〉

〈気にしなくていい。……単なる気まぐれだから〉


俺はそう言う。

しかし、ミアは暗い表情をしている。

きっと、思い詰めているのだろう。


〈……まずは〉


俺はそんなミアに向かって言う。


〈あいつをぶっ飛ばして、攻略しないとな〉

〈……協力してくれるの?〉


そう問いかけるミアに俺は言う。


〈じゃないと、ミアがやらかしかねないからな〉


ミアは俺を見て、きょとんとした表情になり、


〈……ありがと〉


と言った。


〈でも、いったいどうすれば……?だって、ルーファスに勝たなきゃいけないんでしょ?〉


そう。あの後、ルーファスと俺、というかミアは、一週間後にルーファスと決闘することを約束させられた。


『俺より強いってんなら、俺と正々堂々勝負しろ!』


なんて。

ミアは若干自信無さげだ。


〈大丈夫だ。一週間もあれば余裕であいつに勝てるぞ!〉


俺はミアを自信づける為にそう言う。


〈というか、今でも多分7割ぐらいでミアが勝てるぞ〉

〈え?〉

〈ミアは単純に魔法が上手い。それだけでも十分にあいつに勝てるさ。後足りてないのは、実戦経験ぐらい。一週間もあれば、カバーできる〉


そう伝えると、ミアは少しだけほっとしたような雰囲気だ。


〈それじゃあ、特訓しようか?〉

〈お願いします……〉


ということで、俺たちは、一週間後に向けて、特訓をすることにした。

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電波ヒロインにはロジハラを 青猫 @aoneko903

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