第47話【本編 新展開?】湿地の王!

 宴の最中さなか、ダタンが俺にこう言ってきた。


「ボクも大勇者様の旅に連れていってください! 極小魔王が奪った能力は他にもあるのできっと役に立てるはずです。・・・・・・それにこの能力を持っていた者達の記憶もボクの中にはあるのでそれを伝えて回りたいんです!」


 すると、それに対して俺が何か答える前に、背後からこんな声が聞こえてきた。


「・・・・・・大勇者様、勝手なお願いではこざいますが、もう少しだけここに留まってはもらえませんか? ・・・・・・いいえ、この際はっきりと言いましょう! 大勇者様に、このエルフの村であるルーフェ村と人族の村であるターラカ村、二つの村とその周りの地域を支配する王になってほしいのです!」


 振り向くとそこにはおそらくこのエルフ村の村長であるらしいかなり年配の男のエルフがいた。


「長老! 何をいきなり! 大勇者様に旅に出るなと言うのですか?」


 ダタンが村長らしいその年老いたエルフに言うと、彼はこう答えた。


「いきなりではない! 以前から我々もターラカ村の人たちも力ある支配者をずっと求めておったのだ! ・・・・・・だが、お前も知っての通り、我々が何かを始める前には、“湿地の王”に話を通さなければならない。・・・・・・大勇者様、このダタンの案内で”湿地の王“に会ってきてはくれませんか?」


 すると、またダタンが声を上げる。


「“湿地の王”だって? あの獰猛な大カエルがまともに話をしてくれるわけがないじゃないですか! 行くだけ無駄ですよ!」


 それに対して、エルフ村の村長らしき年老いたエルフはこう言ったのだ。


「我々ならばそうだろう。だが、大勇者様ならあの“湿地の王”とも対等に話ができるかもしれない! そうすれば我々の長年の夢であるこの地域に強大で安全な国を作ることができるかもしれないのだ! どうか大勇者様! この死に損ないの頼みを聞いてもらえませんか?」


 俺は少し迷ったが、結局こう答えた。


「この地域にはすでに極小魔王が現れたのですから、今後、小魔王やそれ以上の魔王が現れるかもしれません。この地域に強大で安全な国を作ることはその防衛のためにもいいことであるとも思います。・・・・・だから、ダタン。俺をその”湿地の王“のところへ案内してくれないか?」



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第47話も最後までお読みくださりありがとうございます!


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