寄せては返す波のような恋愛模様

男は産まれたその日から主へ命を捧げるよう育てられた。
それは生涯を賭して成す使命であった。それには何も疑問を持たなかったし、誇りでさえあった。命を賭けるほどに大切なものだ。
しかし、男は出会ってしまうのである。自問自答し、それが何であるかを問い続けなければならない大切な想いと。


奈良時代を背景に描かれる本作ですが、人々の生活や文化そういった前知識がなくても全く問題ないです(作者様からの補足も適所に掲示されております)
情景描写は詩のように紡がれ鮮やかに頭の中に描かれます。人々の言葉は活き活きとしてまるで耳元に聞こえているようにも感じます。時には心の声を叫び読者の心を揺さぶります。


主人公の少女、古志加が見出した「恋」が「愛」へと変わるなか、それに翻弄をされる三虎。この二人がどのような苦難を乗り越え結末を迎えるのか。前述のように頭の中へ思い描きながら愉しんで頂けることかと思います。


追伸:
古志加の魅力は強烈です、夢に出てくるほどに魅力的です。
いちいち仕草が可愛いらしいのです。きっと「尊い」って
こいう時に使う言葉のかな?と思ったりです。

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