季節の物語「夏の章」の構想
「四季折々に揺蕩う、君に恋焦がれる物語。」全4章各4話構成の短編小説。そろそろ夏の章に取り掛かろうと構想中です。
和風BLファンタジーのベースは同じですが、登場人物も世界観も違うものになります。頭の中でちょっとずつ組み立てているのですが、なんとなく、こんな感じのにしようかなぁというのが決まったので、こちらでこっそりお知らせします。
※内容は変わる可能性もあります。こんな雰囲気のお話、という軽い気持ちで待っていてくださればありがたいです。
【 ~夏の章~ 】
雨を司る龍神と、贄にされた少年のお話。
夏。閉鎖的な村の悪しき風習として、日照りがひと月以上続いた時に行われていることがあった。それは、龍神が棲むと言われる深い谷の底へ、贄を捧げること。贄に選ばれるのは十五歳以下の少女で、それは幾度となく繰り返されて来た村の中の暗黙の了解でもあった。
その始まりは、遠い昔の誰かのひと言だったのだろう。
「龍神様のお怒りを鎮めれば、雨が齎され、村は救われるだろう」
谷に贄を捧げたその後に雨が降ったのをきっかけに、夏に日照りが起こった時は、龍神様に贄を捧げればどうにかなるという信仰が生まれたのだ。しかしそれを続けていればどうなるか・・・。
村の女が減り、結果子供が減り、次に日照りが起これば村を捨てるしかなくなるというところまで、村長は追い詰められていた。
「お前なら、問題ないだろう」
目の前の少年の肩に手を置き、村長はうんうんと頷く。何がどう問題ないというのか、疑問符だけが浮かぶ少年を無視し、村長は村の者たちの前で告げる。
「贄は少女と昔から言われているが、残っている文献には男が駄目とは書いていない。駄目でなければ良いということだ。そうは思わんか?」
村人たちはお互いの顔を見合わせながら、囁き合う。
「まあ、見た目はこの村で一番いいから、龍神様もお喜びになるだろう」
「病弱で畑仕事もまともにできない役立たずだ。どうせ長くは生きられない身。最後に村の役に立つなら、こやつも本望だろう」
本人の意思はそこには必要なく、すべては村長を中心に男衆たちによって勝手に決められていく。
――――ひと月後。
少年は谷の端に立たされていた。
後ろに控えるのは、村長と村人が数人。
底が見えないその谷を見下ろし、少年は覚悟を決める。
(私などの命で村が救われるのなら、)
しかし、自分で飛び降りる勇気はなく、予め村の者に背中を押して貰うように頼んでいた。その細身の身体がぐらりと前に傾ぐ。
押された背中の間隔がまだ残る中、その身は深い深い谷の底へと落ちていった。
******
と、まあこんな感じのお話になる予定。
春の章は「出会い」で、夏の章は「焦がれ」をテーマにしたいと思っているのですが、ここからどう展開していくか、私もまだわかりません。なにせ、まだなんとな~くしか頭に浮かんでいないので!
公開は8月の頭くらいを予定しております。他の作品の合間に書いて、前回と同じく週一更新で8月いっぱいかけて公開という感じです。
「夏の章」は公開のめどが付いたら、近況ノートにてお知らせいたしますので、どうぞよろしくお願い致します。
~6/30追記~
8月と書きましたが、7月中に書けそうなので、7/2から公開予定。
「四季折々に揺蕩う、君に恋焦がれる物語。」春の章
はこちらから↓
https://kakuyomu.jp/works/16817330654881627031
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