ディストーション

始まりは親友からの電話だった。同僚が行方不明となり、捜査官の俺、キノシタ・カイトに行方を追ってほしいとのことだった。だが、手応えのないうちに事件は収束し、代わりに始まりを告げる別の事件と過去の続き。

状況証拠からとある人物へと繋がる疑念。仕事と私情は関係ない。そう言い聞かせるのに揺さぶりをかけるその人は、かつて大切だった人。
「嘘じゃないわ。伝えた通りよ。聞いていないのは、どちらなの」

追えば追うほど霞がかる真相はまるで陽炎。けれどその中で確かに手招くのもまた、君だった。記憶の中の、君は言う。
「ずっと一緒にいてね。そうやって、私の夢を叶えてね」
複雑に交差する過去と現在、そして「みんな」の夢。


鉄柵の向こうに、夜の街が広がっている。
この視野に映る全てが、ガーディアンの、俺の、守る…続きを読む