概要
現実と違う世界観で、現実と違う自分を楽しむ遊び、TRPG。
それをもしも、剣と魔法の異世界「で」遊んだら——。
積み上げた本の雪崩に巻き込まれ、異世界転生? 転移? してしまった僕。
ゴブリンに襲われかけ、助けてくれたのは白馬の王子様だった。
そして手元にあるのは、大量のTRPGの本。
「女神様にお祈りをした。平和を乱さない程度にちょっとした変化が起きて、愉快な日々が過ごせますようにとな」
楽しみを求める王子だけど、一介の大学生である僕に、歌も踊りもできるはずない。
ただ、できるのは。
「テーブル・トーク・ロール・プレイング――TRPG。空想の世界で、大冒険して、ドラゴンを倒したりするような、そんな夢物語を楽しむためのゲームです」
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!混沌うねる大地で人生ゲーム!
女神に導かれ召喚されてみたものの、異世界に降り立った自分は素のまんま。何のチート能力もなく、そこで何ができるのか――。
んじゃ、大好きなTRPGを広めよう!
というお話です。召喚先のお城で王子・大臣・メイド・兵士長などとTRPGをプレイしていきます。
元々魔物や勇者のいる世界で「パーティを組んで魔王を倒しに行くストーリー」って現実的すぎるのでは?
そう思ったのですけど、普段の私たちもそんな遊びをしていました。人生ゲーム。
まったく知らない物語世界に没入するのはとても楽しい。だけどリアルに近い世界だからこそわかる、得られるものも確かにあるのです。
普段の仕事とはまったく違う役割を演じる中…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「自分じゃない誰かになって冒険する」。その楽しさ、ワクワクを追体験
TRPGのルールブックとともに異世界転生(転移)をした主人公。
そこは剣と魔法の世界ながら、召喚された場所は「平和過ぎて退屈な国」で、主人公に期待されているのは、「平和を乱さない程度に愉快なことを引き起こすこと」だった。
そこで主人公は王子やメイド、兵士長などをあつめてTRPGをすることに!
剣と魔法の世界で、「異世界での冒険」を楽しむTRPGが受け入れられるのか?
という読者の不安をよそに、王子をはじめとする面々はどんどんTRPGにハマっていく。
異世界だからって、みんなが冒険できるわけじゃない。
生まれながらの地位があるからこそ、役割が決まっているからこそ、他の人間になりたいこともある…続きを読む - ★★★ Excellent!!!TRPGのゲーム上で描かれる「好き」を伝える喜び
TRPGとは?私はTRPGをよく知りませんでした。しかしこの作品は小説の中にTRPGを上手く落とし込み、新しい事に触れる人の心、TRPGの魅力を伝えたい主人公の心を上手に描いています。そしてそれが、時にリアルに感じます。自分が好きなことを、知らない人たち伝える時の不安やもどかしさ、そしてそれを受け入れ楽しんでくれた時の喜び、これってTRPGに限らずそういう経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。小説を読みながら過去の自分を追体験できるような作品です。自分が好きが他の人に伝播していくのってうれしいですよね。そんな様子がやさしく描かれている小説です。