第8話 爆乳お嬢様と乳持ち係、フォーエバー

 ある日の朝のことだった。

 

「使用人、乳を持ってついてきなさい」

「えっ? お嬢様……学校は?」

「今日は寄るところがありますの」


 お嬢様といっしょにリムジンに乗ってたどり着いたのは──。

 

「えっ?」


 俺がクビになった某大手商社の本社だった。お嬢様はリムジンから降りるとツカツカ歩いて社内へと向かって行ってしまう。


「お、お嬢様っ⁉」


 慌ててお嬢様に追いついてその乳を持つ。お嬢様の顔はいつになく凛々りりしい。お嬢様はエレベーターで最上階へと上り、経営戦略室と名前の付けられていた部屋へと入った。

 

 そこにすでに揃っていたのは社内外の重鎮じゅうちんたち。その中には俺のことをクビに追いやった専務や部長、同僚たちも含まれている。


「ここへ集められた理由はもう聞いておりますわね?」


 お嬢様の言葉に対し、専務たちが顔を青くさせながら喋り始めた。私たちは悪くない、そこの男が経費を横領したから当然の罰を与えたまでで……などと俺をクビにした言い訳を論じ始める。

 

「だまらっしゃいッ!」


 ピシャリと叩きつけられたお嬢様の言葉に、部屋は静まり返った。


「ぜぇーんぶ調べましたわ。財閥令嬢の私の情報網をナメないことですわね」


 お嬢様がポケットから取り出したメモリーカードを投げ渡す。受け取った社長がノートPCにそれを差し込むと、途端にその顔色から血の気が引いた。


「それが不正の証拠ですわ社長。分かったらこの件に関与した者たちを全員クビにしなさい。ち・な・み・に、この会社の株式は昨日時点で私が51%を買い占めましたの。従わなければ筆頭株主の権限で社長以下すべての役員を入れ替えますわ」


 お嬢様の言葉に社長は苦しそうにうめくと、首を縦にした。専務や元同僚たちは、酸欠の金魚みたいに口をパクパクとさせて……そのまま口から泡を噴いて倒れた。


「さっ、もうここに用はないですわぁ~。学校に行きますわよ、使用人」

「…………あっ⁉ は、はいっ!」


 目まぐるしい展開にポカンとしている間に、お嬢様はもうすでに部屋を出ていた。俺はお嬢様の後を追って廊下を歩く。


「お、お嬢様、わざわざ私のためにこんなことを……?」

「当たり前ですわ、ああ腹立たしい! 世が世ならこの社屋前にヤツらの首を飾っていたところですの!」


 プンスカといきどおるお嬢様。俺は嬉しくて、思わずクスリと笑ってしまう。


「ありがとうございます。お嬢様」

「主人として当然のことをしたまでですわ。それと……使用人」


 お嬢様は改まって訊いてくる。


「貴方、本当に会社に戻りたくはありませんの?」

「えっ?」

「この前、後輩さんに聞きましたわ。貴方がどれだけこの会社で──」

「お嬢様」


 俺はその言葉をさえぎって、お嬢様の乳を持った。


「私の天職は乳持ちです。それに、お嬢様のこの爆乳を持って生きていきたいと、他ならぬ私自身がそう思っているんですよ」

「使用人……」

「これからも私を、お嬢様のお側で働かせてはいただけませんか?」


 俺の言葉に、お嬢様は不敵に、しかしどこか安心したような表情でニヤリと微笑んだ。


「さすがは私の乳持ち係! いいでしょう、いつまでも私の側に居るがいいですわ!」

「ありがとうございます、お嬢様」


 そうしてお嬢様と俺との変わらぬ日常が今日もまた始まるのだった──。

 

 

 

 ──あと、最後に言わせてくれ。

 

 

 

 こんな優しくて可愛い爆乳お嬢様の乳を持つことができる仕事って、最高だと思わないか?




~ never ending chichi-mochi ~



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最後までご覧いただきありがとうございました!


他にもいろいろ世界観やキャラのおかしい設定な完結済み短編小説は書いておりますので、作風を気に入っていただけましたらぜひそちらもどうぞ!


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このたび爆乳お嬢様の『乳持ち係』として雇われました 浅見朝志(旧名:忍人参) @super-yasai-jin

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