4-4 まぼろしの夜

●本編「4-4-2 子猫二匹との夜」

https://kakuyomu.jp/works/16816927860525904739/episodes/16817139556210087923

の、改稿前バージョンがこちらです。




 横たわったマルグレーテにキスを与えた。瞳を閉じ、マルグレーテは俺の唇や舌が動くままにさせている。いつもなら自分から俺の舌を吸ってくるんだが、今日はおとなしい。


 寝間着のボタンを外し、胸を露出させた。右手で優しく撫でつつ、唇をつける。


「……あ」


 柔らかな胸の先を口に含み辛抱強く刺激を与えていると、やがてそこが硬くなってきた。右手に感じるもう片方も。


「モーブ……」


 消え入りそうな声だ。


 そっと寝巻きを脱がせた。下半身を隠す下着も。月明かりに、きれいな体が浮かび上がる。


 自分の寝巻きをかなぐり捨てると俺は、マルグレーテの体を眺めた。きれいだ……というか美しい。青い月明かりに浮かんでいるだけに、夢のように幻想的だ。


 ふとももを掴むと、ぐっと開かせた。抵抗はしない。横を向いたままじっとしている。体の中心にそっと手を添えてみると、マルグレーテの体がぴくりと震えた。


「……ん」


 そこはとても熱かった。そしてぬるりと濡れている。よく濡れる濡れる書いてあるけど、本当に濡れるんだな。


 脚の間に、俺は自分の体を置いた。


「いいんだな、マルグレーテ。後戻りはできないぞ」


 お父様の言いつけどころか、マルグレーテは今晩、純潔を失うことになる。俺によって。


「いい……。モーブなら……」


 まっすぐ見つめられた。月明かりに瞳が輝いている。


「わたくし、モーブを愛しているもの。ただひとり、モーブだけを」


 マルグレーテは、はっきり言い切った。俺への気持ちを口にしたのは初めてだ。


「わたくしにとって、一生に一度きりの恋よ。わたくしの心は、永遠にモーブだけのもの。……だから、お願い」


 俺の手を握り、指を絡める。ふたり指を絡め合ったまま、見つめ合った。


 角度を合わせると、俺は動いた。先がどこか、熱を帯びた箇所に触れる。柔らかい。そして、たぎるように熱い。俺を待ちかねているかのようにさえ感じる。


「……」


 さらに先へと、体を進めた。


 強い抵抗と共に俺が包まれた瞬間、マルグレーテは息を呑み、体を大きくのけぞらせた。モーブ……モーブと、俺の名前を口にしながら。


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