オレンジの描写と恋心が、こんなにしっくりと一致する。初恋っていうのはやっぱり本当に甘酸っぱいんだと、納得です。登場人物たちそれぞれの、瑞々しく揺れ動く想い。いくつものシーンに、その想いは時に弾けるように、時に滲み出すように生き生きと描かれます。プリントや髪留めなどの小物も恋心のときめきを細やかに演出し、小さなシーンひとつひとつにドキドキが詰まっています。初々しい疾風に巻き取られ、読み手は呼吸も忘れラストシーンまで連れて行かれてしまいます。誰かを恋い慕う想いが芽生える尊さをたっぷりと味わえる、まさにオレンジの味のする短編です。
まだ深く入り組むような大人の恋愛を覚える前の、初々しくて、爽やかな炭酸のようなトキメキ。キラキラ輝く原石たちが、引かれあい、時に弾きあいながら作られる、青春の1ページ。センスの光る言葉が散りばめられていて、さながら夏の煌めきを思わせるような良作です📖
幼稚園の頃から一緒の幼馴染なのに、サッカーを一生懸命やっている彼を見て、ときめいた。切ないすれ違いも恋にはつきものですね。感情の描写、素敵です。青春ですね!
三者の視点で描かれるそれぞれの初恋。高い文章力、表現力で鮮やかに描かれたその甘酸っぱさ、切なさにキュンキュンすること間違いありません!読み終えたあなたの心にもきっと、仄かなオレンジの残り香が揺蕩うはずです。爽やかで美しい、思い思いの青春を是非一度読んで味わってみてはいかがでしょうか?
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