誰ヵ之手紙

直文さんへ


もし、来世があるなら貴方と会いたいです。

会えたら、好きだと言いたい。


来世の私は前世を絶対に覚えてないでしょう。けど、次に会えたら直文さんを好きになれる自信があります。


だって、貴方がすすめてくれたもきっと


だから、もし会えたら、私は貴方と共に生きたい。

直文さんと笑って幸せになって、生きてみたい。

その時はどうか、来世の私の名前を呼んであげてください。



──最後の幸せな時間をありがとう。

幸せでした大好きです




誰ヵ之半妖物語

名前と記憶を忘れた彼女と無表情な彼

(完)









🎆       🎆       🎆













 くしゃりと紙が歪む。

 ある日の上司が、寄越した誰ヵ之手紙。自室で読んですぐに誰ヵを理解した。


「私、生きている頃に貴方と会いたかったなぁ……」


[──ありがとう、直文さん]


 誰ヵ之言葉が──彼女の言葉が頭から離れない。ずるい言葉と感謝。美しい光景は、俺の中でも残り続けている。


「俺も、君と早く会って共に生きたかった」


 別れる前に残した言葉を、もう一度吐き出す。


「生きたかった。本当は一緒に居たかった」


 俺は本音と共に涙を零す。情けなく笑って、涙を袖で拭く。


「ずるいよ。こんな手紙を、書くなんて。手紙の返事を、あの日の君に向けて書かなきゃならないじゃないか」



🎆 🎆 🎆

手紙の返事↓

https://kakuyomu.jp/works/16816927863016384276/episodes/16816927863016543820

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誰ヵ之半妖物語 名前と記憶を忘れた彼女と無表情な彼 アワイン @HanYoMe09

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