わたしのヨル

・こんな人におすすめ
　謎が残る作品を読みたい人
・個人的にここが良い！
　構成・アイデア
・読後の満足感
　二重丸　(O_O)
・感想
　ヨルというキャラクターは、困っている私を助けてくれるヒーローのような存在。ところがヨルの果敢な行動のせいで私が怒られる。なんて理不尽な。しかし理不尽はそれだけではなく……。
　ヨルの正体（真相）は何なのか？ヒントはストーリーに散りばめられています。ぜひミステリアスの作品を楽しんでほしいです。

救いの無い日々。
つらく、何度も壁にぶつかる。
その度に、虚無感に囚われる心。
そんな行き場の無い絶望から救い出してくれたのは、一匹の猫だった。


冒頭から紡がれる薄暗く、悲壮感漂う作風。
そんな中で、荒野に咲く一輪の花のように健気に支えてくれる存在。
この存在と、主人公の絶妙な関係性には惹かれました。
そして皮肉が効いているのも、この作品の卓越した部分です。
是非、ご一読を。

クライマックスの衝撃が、企画で集まった作品の中でも群を抜いていました。
そこに至るまでヒントとなる沢山の描写はあるのだけど、どれもさりげない見せ方で読者に気付かせないんですよねぇ。その辺りのさじ加減が本当に上手かった。
仕掛けのたくみさは入賞に相応しい力作と言えるでしょう。

私が困った時に現れては助けてくれる黒猫。
それは私にとって、いなくてはならないヒーローだった。
KACのお題と企画のお題である「絆の二人、いつも一緒の名コンビ」
両方を逆手にとって痛烈な皮肉を叩きつけるまさかのアイディアには脱帽です。
そして、それだけはなく……。

この作品は暴力で物事を解決しようとする愚かさをも我々…続きを読む

心がざわつく話です。悲劇が予想されているのに読み進めてしまう、そんなお話。