第5話 ミサゴさんが撮りたい。(ミサゴ)
私はミサゴが好きだ。
鳥の中で、二番目に好きだ。
(ちなみに一番は、ツグミだ!)
ツグミの話はそのうちするとして、今はミサゴの話をしよう。
ミサゴ。タカの仲間で、おもに魚を捕らえて食べる水辺のハンターだ。飛んでいる姿を下から見ると、羽が白っぽく、翼が長く見えるのが特徴である。
私が初めてミサゴと出会ったのは、野鳥公園だった。鳥を見始めた学生時代。双眼鏡を覗きながら、飛んでいるミサゴを観察した。ミサゴはしきりに下に広がる海を気にしていた。羽ばたきながら空中にとどまった一瞬、ねらいをつけたように、海の中へと飛び込んでいった。そして長い翼を勢いよく羽ばたかせて、再び空へと舞い上がる。その足には、捕らえた魚が握られていたか、いなかったか……。
と、記憶があいまいなのだが、そんな迫力ある狩りの瞬間を目撃できて、私は興奮したのを覚えている。
個人的なイメージなのだが、ミサゴはタカの仲間でありながら、トビの次に出会いやすい鳥だと私は思っている。海辺にいけば、かなりの確率で出会うことができる。しかも、運が良ければ、ダイナミックな狩りの様子を見せてくれる。
タカらしい荒々しさを持ちつつも親しみやすい鳥。それがミサゴである。
というわけで、そんなミサゴの勇姿をカメラにおさめるべく、バードウォッチングへ出かけているのだが……。
撮れない。
ミサゴが、撮れない。
まずなにが難しいかって、飛んでいるミサゴとの距離が遠い。双眼鏡で観察するなら十分なのだが、空を飛ぶミサゴをカメラに捉えるのが至難の業である。捉えても、すぐに画面から消えてしまう。トビのように弧を描く飛び方はせず、スーッと一直線に飛んでいくものだがら、画面が少しでもズレるとすぐに見失ってしまうのだ。
そして、もうひとつ難しいのが、鳴かないことである。トビのようにピーヒョロロと飛びながら鳴いてくれれば、すぐにわかるのだが、ミサゴはほとんど鳴かない。なにげなく見上げたら空を飛んでいて、「うわぁあああ、ミサゴ!? 待ってぇええええーーー!?」と、カメラを向ける前に去ってしまったこともある。
会えるのだが、撮れない。届きそうで、届かない。
撮ろうとして失敗した画像を増やしながら、それでも私はミサゴを追い続ける。
だって、好きだから。私はミサゴが、二番目に好きだから。(一番はツグミです!)
今年中に、ミサゴの勇敢な姿が撮れますように。
追伸
撮ろうとして失敗したミサゴの画像がこちら。
・飛んでいたけど、遠かった。
https://twitter.com/miyakusa_h/status/1478287450158276609
・後ろ姿が、遠かった。
https://twitter.com/miyakusa_h/status/1479062387395526656
・杭にとまっていたけど、遠かった。
https://twitter.com/miyakusa_h/status/1486669746871304194
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