あとがき

【第10話】 https://kakuyomu.jp/works/16816927861144846254/episodes/16817139558466659313







 リレー小説についてお話があったのは、二〇二一年の十月のことでした。


 私と薮坂さまのリレー小説「love letters」のあとがきに添えられた応援コメント。蜜柑桜さまの可愛らしくて控えめなお誘いを、大喜びで了承しました。


 嬉しさのあまり、書きたい話がすぐに思い浮かびました。見習い魔女エピィの物語。当初はエピィの名前は決まっておらず、世界観も現代か異世界なのか固まっていない状態でした。ただただ蜜柑桜さまの書く魔法を読みたい思いで、柔らかな作風に合う話を提案しましたね。


 「こんな話でリレーいかがでしょう……?」と近況ノートで確認し、開始時期も決めておきました。カクヨムコンの後、二月あたりに。互いに負担のない時期を選んだつもりでしたが、三月になって大事なイベントを忘れていました。書き手の心身を削るKACを。

 皆勤賞を目指されるのであれば、頻繁に更新するのは避けた方がいいかも。そんな訳で、三月はできるだけ投稿の間隔を空けるようにしました。


 蜜柑桜さまと大事に書き上げたリレー小説は、終わってしまうことが名残惜しいほど楽しく、思い出に残るものになりました。なぜなら、あのシレアの作者さまなのですよ? シレアに行ってみたくなる豊かな風景描写、おてんばな王女、絵になる主従、作品を彩る食べ物などなど! シレアの魅力は語り尽くせません。憧れの書き手と一緒に作品を作ることができるなんて、この上ない幸せです。


 本作でとある仕掛けを加えたのは、一ファンとしての願いの現れです。言葉は言霊、願いを形にすれば現実になりますから。蜜柑桜さまと読者の皆さまの反応が心配でしたが、温かいメッセージをいただけて感謝いたします。


 いつからかファンタジーが書けなくなっていて、特に魔法が登場する話を本格的に執筆したのは久しぶりでした。蜜柑桜さまが世界観に奥行きを持たせてくださったおかげで、スランプになることなく書き切ることができました。回を重ねるごとにエピィがどんどん可愛くなっているので、癒されましたね。

 いつか蜜柑桜さまとリレー小説の裏話を対談してみたいな、と思う羽間なのです。


 濃いキャラを好き放題出した結果、とても賑やかな物語になりました。お気に入りのキャラがいたら嬉しいです。ちなみに、個人的に似ているキャラはカリンですね。一番憑依しやすかったです。


 無月兄さま、無月弟さまに読んでいただいているため、双子を出すのはかなり勇気がいりました。いかにも凝り固まったイメージではなかろうか、と。

 あれこれ思案した結果、双子と一括りにせずに書きました。似ていても、同じではありませんからね。


 「魔女の落し物」を読んでくださった読者の皆さま、最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました。大人も楽しめる児童文学になっていれば幸いです。

 エピィの成長を優しく見守ってもらえて、励みになりました。


 今年は私にとって、社会人一年目。自分の存在意義を見いだせなくなったこともありましたが、本作のおかげで辛い時期を乗り越えられました。蜜柑桜さまの回でどれほど元気をいただけたことでしょう。深く、深く感謝申し上げます。


 また蜜柑桜さまとリレーできる日が来ることを祈って。

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魔女の落とし物 羽間慧 @hazamakei

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