概要
「じゃあね。これ、二人だけの秘密だから」
死に際に乃蒼から託された「秘密」。――なるほど。だから世界は争いで満ちているのだろう。不死身の祓魔師の噂。明かされる悪魔の正体。太陽と月影と星辰が重なるとき、正義と悪は反転する。緻密な設定と重厚な世界観が織りなす学園×SF×ダークファンタジー。
……そうですね。
神様は、悪魔に恋をしていたのだと思います。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!あなたはいくつの伏線を見つけられるだろうか。挑戦者よ、来たれ。
ファンタジーでありながら、SFの垢ぬけた魅力を併せ持つ作品です。
緻密に作り上げられた世界観と人物設定。にもかかわらず、軽いタッチで過不足なくそれらを伝える作者様の表現力に脱帽です。
特筆すべきは、小説の中に宝石のように散りばめられた伏線の数々。
読み進めながら違和感を持つ箇所がいくつか出てきます。そして、それが伏線だったと後から判明するのです。注意深く読み進めれば、作者様の伏線回収の見事さに舌を巻くことになるでしょう。
どちらかと言えばライトノベルの類かと思いますが、集中して読んでいくことで、この作品の面白さは2倍、3倍に膨れ上がります。
主人公やヒロイン、登場人物たち…続きを読む - ★★★ Excellent!!!銀木犀の香りを追え。明星を暴くのだ。
この作品の魅力を紹介するに当たり、色々考えたのですが、文章や世界観については他の方が書いておられるので、私はヒロインの及川乃蒼さんについて語りまくりたいと思いました。
ヤバいヒロインがお好きな方、多いですよね? 及川さんはシンプルかつ強烈にヤバいヒロインです。色々とヤバいんです。
まずは基礎スペック。凄まじい身体能力を持ち、祓魔師としての実力は一級品で、何より可愛い。この人自分が超可愛いの分かってるだろ!?というのが言行の端々から分かる気がします。でもそこが良いんです。
次に特殊能力。第01話の時点で分かるのですが、彼女は自分の才能をあまり重く捉えておらず、軽〜く使っちゃいます。しかし、それ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!重厚なお話を読みたい方に
まず先に言っておかなければいけませんが、この作品はライトノベルに該当されるお話になりますが、決して軽くはありません。
祓魔師の主人公によって展開される世界観は重厚であり、読めば読むほど濃くなっていきます。悪魔の正体、信憑性のない噂話、そしてこの作品最大の魅力であるミステリアスヒロイン、及川乃蒼という存在。それらの要素が巧みに合わさり、物語を魅力あるものにしていきます。
まだページ数が少なく判明していない「謎」は多いですが、その謎たちが読者のストレスになることはなく、先の展開を期待させるものになっていおります。
与えられた手がかりから、先の展開を予想してみるのもいいかもしれません。きっと…続きを読む - ★★★ Excellent!!!神様が恋をしたのは、悪魔だけではない。
面白い。
まず、シンプルにその感想が浮かぶ。現在公開されている話数はけっして多くはない。だが、だからこそ話を読み終わったあとに襲われる飢餓感の大きさに愕然とする。
作者様は、残酷なことをする。
はやく私たちの飢餓感を癒やしてほしい。そう、出過ぎたことを思ってしまえるほどに、この話は人を引き込む力を持っている。
話は、悪魔使いたちと祓魔師の戦いを描いている。冒頭で、非常に感性の優れた詩的な言葉で紡がれる神話の中に、「神様は悪魔に恋をしていたのだと思います」という印象的な言葉が出てくる。
だが、本編で「悪魔」については「明確」には語られておらず、敵として出てくるのは悪魔「使い」だ。では、悪魔と…続きを読む