第12話 おまえの毛をラクダみたいにしてやろうか

2022年1月4日。夜7時すぎ。とあるスーパーにて。



女性の店員さんによる半額シールを貼る作業が始まったお総菜売り場にて、私はちらし寿司を凝視しておりました。


これが半額になったら買うのです。今晩の夕飯なのです。正月で暴飲暴食の限りをつくした私のお口が、なんか酸っぱいものを欲していたのです。



売り場にてシールが貼られるのを今か今かと待ち構えておりましたら、

おじいさんがやってきて、私のちらし寿司を手にとりました。


あっ! 先に取られた!

まだシール貼ってないのに!


……うう、でも仕方がありません。こういうものは早い者勝ちですもんね。

しかも定価で買うわけですからしょうがな……、


「お客様、待ってください!」

店員さんが慌てておじいさんに駈け寄り、ちらし寿司に半額シールを貼ってあげました。

ええ~、親切~。

でもシールを貼って貰うのを待っていた私って一体何だったの~。

まあ。しかし、こういうこともあるよね、うん、しょうがな……、


「買うと思ったか? 買わねえよ!」

おじいさんはそう言うと、ちらし寿司を棚に戻して、下卑た笑い声を上げました。



店員さんポカーン。

私もポカーン。



おじいさんは、何も買わずに総菜売り場から立ち去りました。



……は?



「え、何? いまの何ですかね!?」

私は思わずそう口走りました。


店員さんは苦笑しながら、「ああいう人、よくいるんですよ」とおっしゃる。


ええ~、よくいるって……。

「しょうもないジ〇イですね!」

店員さんは笑っておられました。



そのジ〇イが触ったちらし寿司は買う気にならなかったので、スーパーを出て、うどん屋さんに行くことにしました。いなり寿司でも食べようと思ったんです。けれども売り切れでした。私はきつねうどんを食べました。悲しい。美味しかったけどさあ。



ジ〇イめ~、今度会ったらおまえのマツゲに半額シール貼って、まばたきがラクダみたいにファサファサになる感じにしてやっからなコノヤロウって思いました。


以上! ただの愚痴でした!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る