あとがき


 いかがだったでしょうか?

 ここでは作品について、振り返りや裏話を少々語らせていただきます。



 最初にぶっちゃけると、私は当初、家兼を主人公に書くつもりはありませんでした。

 書きたかったのは龍造寺隆信の戦記物。

 しかし隆信の青年期は、家兼の功績抜きに語れないので、最初の数話のみで家兼を描き、隆信にバトンタッチする構想を抱いていました。


 しかし龍造寺家の歴史を調べていくにつれ、考えは改まっていきました。

 波乱万丈の家兼を扱うなら、主人公として独立させるべきだと。

 結果、48話という思いがけない長編になってしまいましたが、決断は間違っていなかったと思っています。



 家兼については基本受け身の常識人、アイデアマンとして描かない事を心掛けました。優れているのは洞察力であり、しかし時折読み外す事もある。発想も既存のもの。そう設定する事で、親しみを感じてもらえるキャラクターにしてみたつもりです。

 

 最も気を使ったのは馬場頼周。

 一般書やネット記事では、筑紫満門謀殺や、龍造寺粛清で首を踏みつけたエピソードばかり紹介され、行き過ぎた忠臣というイメージが着いてしまっている様に思います。

 しかし家兼が彼を認めて、孫娘を馬場家に嫁がせているのは事実。

 最後こそ敵役となりますが、そこには家兼に対する、彼なりの苦悩があり、分かりやすい悪役キャラクターに陥らない様、揺れ動く心情を大事に描写することを、意識しました。




〇参考資料について

 大まかには江戸期に成立した歴史書「九州治乱記(北肥戦誌)」をベースに、龍造寺関連の一般書やネットの情報を参考にしていますが、加えて大内家について書かれた書籍も参考にしました。

 なので龍造寺家の通説を知ってる方でも、思いがけない展開があったのではないでしょうか?



〇最後に愛読して下さった皆さまへ

 処女作という事で、至らぬ点が多かったと思いますが、ここまでお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。

 特に四谷軒様、杉浦ヒナタ様、刃口呑龍様、蓑火子様にはフォロー&多数のお星様を賜り、いつも励みにさせていただきました。


 剛忠の死後も佐嘉は戦乱が続きます。

 その模様は、来年から投稿予定の、隆信編にて描いていくので、宜しければ引き続きご愛読下さいます様、お願い致します。


 ヒゲ園児

 

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龍の戦国 佐賀龍造寺氏戦記譚 家兼編 浜村筆心(ヒゲ園児) @noutore

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