ステキな紳士

スマホの妖精「小父様紳士」

妖精というと、村上春樹小説にときたまでてくる「リトルピープル」を連想するところです。『海辺のカフカ』ナカタさんと相棒の星野が見る妖精は、無機質で不気味な存在でしたが、本作での「小父様紳士」は、酔った時に振られたてのOLを慰める妖精。走馬灯でなくて良かったなあと思いました。

　女性会社員の主人公は、目の前に突如として現れた紳士に、釘付けになっていた。こんな紳士は見たことがない。
　主人公は付き合っていた彼氏がいたが、すれ違いが多くなって分かれていた。このことで気分はどん底だ。何て可哀そうで、不幸な私。
　そんな主人公の前に、紳士は現れたのだ。これはもしかして、幻覚ではないか？　主人公は疲れているせいだと思いこもうとしたが、紳士は確かにいる。そして主人公を慰めてくれる。貰いたかった言葉を投げかけ、手の甲に優しい口づけ。

　果たして、この紳士は何者か？　
　どこからやって来たのか？

　最後のオチに、思わず笑いました。

　是非、御一読下さい。