僕と彼女の家取り合戦

手段を選ばないやや乱暴な子かな？　と思ったら、実はツンデレな幽霊さんだとわかってほっこり。
最初は大人しかったことから、様子をじっと窺っていたのかと思うと何とも愛らしさが増しますね。
合戦といいつつそのうち和解するんじゃないかな？　と穏やかに読了できました。

コロナによるステイホームで困っているのは人間だけじゃないんです。一日中、知らない人と一緒に過ごすだなんて窮屈です。
あ、申し遅れましたが私は幽霊です。
赤い斑点を布団につけたり、窓ガラスにたくさんの手形をつけたり、テレビをつけたり、ベッドに長い黒髪の山を置いたり……。思いつく限り暴れているのに、この大学生男子出ていかないんです。困ったものです。
おまけに私のこと「実は結構優しかったりして？」だなんて言うんですよ。……変な人。
この大学生男子はなにを考えているんでしょう？　作品は男性目線ですので、読んで確かめてみてください。
きっと……霊感も女心にも鈍い人ですよ。

ステイホームによって家の中で過ごす時間が増えた今日、その時間は今まで出会えなかったものと触れるチャンスなのかもしれません。

もし未知なるものと出会って言葉が通じなくても恐れないで下さい。
相手も直接通じ合えなくて必死で通じる方法を探してるだけかもしれないですから。小さなサインを見逃さないのがコツです。

おうち時間がもたらした新たな出会いはちょっと刺激的で優しくもあり、これからの長い戦いを予感させてくれます。

幽霊といっても、恐くないよ。
（暴れているけど）
コップとか落としたり、受講の邪魔をしているけど、恐くないよ。
（結構、本気だけど）

ほっこりする短編。