寝返りと祈り

寝返りと祈り　梗概　県昭政
「太閤が死んだ」喜んでいる男がいる。脇坂安治だ。朝鮮の釜山港から、海を見つめている。
太閤秀吉の命で淡路島水軍を率い、長年朝鮮の海で敵の水軍と戦ってきた。横に藤堂高虎がやって来た。
この二人は旧来の友で同じ水軍として戦ってきた。安治は、朝鮮攻めで戦は嫌になっていた。
　安治は、太閤亡き後の情勢変化を考えていた。太閤の子秀頼は幼く、石田治部三成たち奉行衆は頼りない。
安寧の日が訪れるためには、徳川内大臣家康こと内府殿が天下を取るべきと信じていた。高虎も同じ意見だ。
安治は朝鮮から帰国した。安治は内府に近づいた。反内府と内府の争いの時も一番に内府に駆けつけた。内府は安治に感謝した。
しかし、世では福島正則らの襲撃は知られていたが、安治の襲撃は知られず小大名だからかと不…続きを読む