雪待ちの人

主人公は友人二人と自主映画を撮影しています。
同じ作品を作ろうと三人で活動しているはずなのに、主人公が寂しさのような感情を覚えている描写が秀逸でした☆

この作品だけでも楽しめますが、同じ作者様の『空に走る』を先に読むと、この作品をもっと深く知れると思います。

大学生の男性二人と女性が一名。
どうしても一人が余ってしまう切ない三角関係と美しい雪景色の物語です。

三人は今でこそ仲良く分け隔てなくやっていけるものの、クリエイティブな業界で生き残れるのは才能をもった一握りの人間だけ。そして一人の女性が選べる男性はやはり一人だけなのです。
人間関係は時と共に移り変わり、決して元には戻らないもの。
一見楽し気で和気あいあいとした会話の中にも現実を認め、未来を憂う悲しき男の心情がここにはありました。

私事ですが、自分も学生の時分が青春のハイライトであり、人生の楽しさは全てそこで学んだと言っても過言ではないので…昔を懐かしみつい涙ぐんでしまいました。

今、…続きを読む

　物事、上手くならないと本当の意味での楽しさはわからない。それは事実ではある。
　しかし、下手くそな時分に上手くなろうと熱中することは上手くなることそのものよりも楽しくなることがしばしばある。
　とん汁でも 飲みながら、懐かしさに浸りたくなるような一作。

とても素敵な作品でした。

普段は雪が降ると寒い、交通機関にも影響でそう、靴とか傘とか考えるのが面倒臭いとなるのですが、
一つの目的のため、ただひたすらに空をみつめて降雪を祈る。

一人ではなく三人で。
切実に望む……共通の思いのために。

それは永遠ではなく、それぞれが違う道を歩んでいくのだと分かっていても、
今だけは同じ思いで雪を待つ。

儚くも、とても綺麗な情景が想像できる、今の季節にぴったりの作品だと思いました！

雪待ちです。
雪が降るのを待っています。
予想では午後から雪。
でも、もう夜。午後っていつだよ。
雪どころか夜空は晴れかかってきます。
これは長期戦になりそう。
自主映画を撮影している三人。
ファミレスでの雪待をあきらめ、
ひとりの家でさらに雪を待つことに。

若者が三人、アホやったということが
思い出となってゆくもの。
きっとなんてことないこの夜が
よい思い出になるんではないかな。

雪が降っていてほしい場面のために雪待ちをしていた。自主映画を撮っているからだ。


作者様の他の作品のキャラも出てくるので、そちらも合わせて読むと更に面白いです。

同題異話の作品です。題名にストレートです。

ラスト、うけました。