美しき少女が、龍に挑む!

 龍と共にある民族・セムタム。セムタムの成人儀礼を通過した女性は、言語フィールドワーカーであり、常に彼らセムタムの人々のことをメモしていた。そんな彼女は、一人のエキゾチックな美少女・パチャラと行動を共にすることに。パチャラは見た目は少女だが、成人の儀を済ませて「女性」の位置づけだ。そんなパチャラは、今回、龍に挑むという儀礼を行うことになっていた。
 しかし、その前日に不吉な嵐に見舞われ、不穏な空気に満たされる。儀礼の日、パチャラが挑むはずの龍は、死体となってセムタムの船団の前に現れる。その龍を殺したのは、ピューマに似ていて、かつ翼をもつ大きな龍だった。その凶暴な龍(ネコ)は、セムタムの船団を皆殺しにしようと企む。
 しかしそんな中、一人だけ果敢に(ネコ)に挑む者があった。パチャラだ。

 果たして、パチャラの儀礼はどうなるのか?
 そこには誰も予想できない展開が待っている!

 民族学的なセムタムの生態が好きで、このシリーズは読めば読むほど興味深いです。語の成り立ちや、彼ら独特の文字や入墨。神話や儀礼など、部外者の視点で描かれているので、とても分かりやすく、面白いです。

 是非、ご一読ください。