彼は殺す。ただ刺激を求めて。

時代は中世に近しく、けれど魔術や魔物などのファンタジー要素のある大人向けのハードコアなVR。拘り抜かれた情景描写、その中でも戦闘描写には目を見張るものがある。
人がどうやって死ぬのか。人をどうやって殺すのか。その世界で生きているプレイヤーは、様々な目的、欲望、陰謀を持ってその身を投じる。
その世界に自ら足を踏み入れたのは、いまだ若き少年。本来なら、このようなゲームに関わる事さえ禁じられるような年齢だ。
それでも、少年は身を投じる。その名が示す通り『暴力的で、猟奇的で、血潮が渦巻く世界』へと、刃を持って挑むのだ。

非情に作り込まれた世界観と緻密な設定は、この世界が曖昧なものではなく確固とした存在なのだと裏打ちしている。彼のダークソウル、現在ではエルデンリングに近いゲームなのだと推察するが、これがコントローラーではなく、生身の肉体で操作しているのだと思うと、難易度は爆上がりするだろう。
非情にグロい描写は、それがリアルなのだと脳裏に焼き付けるようで、恐ろしい、気持ち悪い、そう思いながらも読む手は止められない。
序盤の掴みからして、彼はずっと殺人鬼として動くのかと言えばそうではなく。ただ、そこに刺激があるならば、彼は当然のように裏社会へと身を投じる。
そこから先は、あなた方で確かめていただきたい。

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