(過去詩)片翼の鳥


 一羽きり、とりのこされ

 片翼失い空を見る

 遠いだけの青い自由に

 流す涙もれきって


 くした翼のかわりなら

 誰かの夢に翼を貸せる?

 誰かのためといいわけて

 自分の夢を切りとるの?


 失くした翼のかわりにと

 キミの翼を切りとれと?

 私の夢といいわけて

 与えられる情けなら、イラナイ


 決してえないこの痛み

 私の翼は私のモノ

 この背にカタチがなくっても

 切り絶たれた記憶のままに

 風を受けて、痛むから


 キミの翼はキミのモノ

 切りはなして差しださないで

 それよりその手をのべて

 私をつかんで支えてほしい


 片翼だって飛べるから

 風の匂いと空の道

 そう簡単に忘れない


 痛みこらえ広げた翼

 風を受けて――――南へ




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