世界観の大胆な切り替わりに合わせ、謎も継承されてく楽しさ

SFというジャンルならではと思われる、生理的怖さと、世界観の移り変わり感が見事な作品と思います。

謎が謎を呼ぶ展開の切り替わりが、エンタメ的にも楽しい。物語が描かれる世界観の広がりに応じて、謎が多角的にシフトしていくような。
そしてそういう進みの中で、ミスリードと思われる情報も結構多く、それに後に明かされてく謎の伏線がかなり多めな印象もあり、ミステリー的にも面白い構成となってます。

作中での様々なガジェットの説明はSF的で、神秘的要素をある程度は意図的に排除していってる感じもある。第一章は特に、そういう説明が興味深いだけでなく、物語で演出されてる恐怖感と見事に直結してると思う。
それはまさしく、理性的な認識で描かれている、異常な世界観。

また、紋章権能という謎の特殊能力が、最初から重要げなガジェットとしてあるのだが、これの設定や描写が、深く考えると結構不気味な面もあり、この能力を使う者に関して、作中で使われているある呼称が(それはよくあるようなものではあるのだけど)なかなか印象深かったりもする

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