レイナ誕生

そんな過去を思い出しながら、ソファーでボーッとしていた。

テレビは、バラエティー番組が流れている。

別に見たい番組でもないけど、音がないとさびしくって、BGMがわりにテレビをつけることが習慣になっている。


ふと、今日の祥太がやってたゲームのことを思い出した。

あの、モンスターを倒すときの、ピカピカピカッと光る閃光

そして、一瞬の静寂のあとの、ドドドドドッて響く音。

好きなアーティストのライブにいったときみたいな、興奮と感動を感じた

ただのゲームって思ってたけど、小学生の祥太が、

「返事しないと嫌なやつだと思われちゃう」

なんて、相手に気を使ったりして、案外、人間関係の勉強にもなってるんだな。


やってみよっかな。

人恋しくて、ゲームの中でもいいから、誰かと会話をしたくなってきた。


祥太がやっていたゲームはすぐにわかった。

新規登録でアドレスや名前を打ち込んで、ゲームを始めると、キャラクター作成画面になった。


名前、か、

ニックネーム・・・何にしよっか。

本名はいやだし・・・・


――― それでは、レイナちゃん、答えてください。 ―--


テレビの向こうから声が聞こえてきた。

グラビアアイドル?

あんまりみかけない女の子が出てる。


レイナ、か。 

いい名前じゃない。レイナにしよっと


ニックネーム、レイナ、

性別:女子

髪型は、ロングヘアにしよっと

服は、ピンクね、

現実とは正反対なキャラクターを選んで、作成完了。


ゲームを始めます。をクリックしたら、

チュートリアルの画面になり、指示通りにマウスを動かし、クリックしていくと、


「これで完了です。さぁ、冒険に旅立ちましょう」


っていう文字が出て、一瞬画面が暗くなり、ヒュゥーーッと飛んでって、街の画面に変わった。


いろんな人がいて、それぞれ会話している。

自分のキャラクターを確認したくって、マウスを動かしたら、頭の上に矢印が出ていた

えっと、最初に何をすればいいんだっけ?

チュートリアル、ちゃんと読んでなかったな。


「レイナちゃん」


ん? わたし? 呼ばれた?


「レイナちゃん、」


声の先にマウスをあてると、戦隊ものに出てきそうな、黒い、カッコイイ装備をして、長い剣を持った男の子がいて、名前がブラックコンドルになってる

チャット画面をみると、みんなが話している言葉が流れていた

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麒麟倒しにいこっ 小峰麻耶 @nekoneko2116

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