痛快! こういう警鐘を待っていた!!

もう、ね。最初からバッサバッサと斬ってく様がね、まず痛快なわけよ。

異世界モノ? 俺は読まないしここまで跋扈してる状況も憂いていたし、筆者が慇懃な口調でぶった切る度に「よくぞ言ってくれた!」と興奮したし、終盤の「後世のため」というくだりは首の骨が折れるぞって勢いで頷いてたぜ。

もちろん、筆者の意見に全て同意するわけではないけれど(世界観を創り上げる上では本篇に登場しない設定も必要かと、等)、もうね、「コロナでヒマだから小説書き始めました」って人でてっとり早く異世界モノに手を染めてしまった哀れな方は今すぐこれを読んで出直してこい! とすら、俺は言いたい。

途中で筆者も書いてらっしゃるけど、『勉強』って必要なわけよ、やっぱ。何事においても。小説に関して言えばそれは『読書』だと俺は思うわけよ。だから、頼むからまず読め。ラノベでもいいからプロの作品を読め。異世界以外のものを。
別に最初からな、ル・クレジオの「大洪水」を読めだとか、そんなこたぁ言わない。可能なら紙で、縦書きで、文庫でもいいから、オンゴーイング=現在進行形の文学に触れてみてくれ。彩瀬まるとか読みやすいしオススメだぜ?


最後に筆者の夏川さま。
これを公開するにあたっては、相当の勇気を要したとお察しいたします。
「炎上覚悟」とも書かれておりましたが、良い意味で燃えているのではないでしょうか。
私は純文に近いものが本業ですが、現在連載している「私の有害音楽」という話は、簡潔に言う「アンチ・流行り物」的な自主企画に二つ参加しています。そういった自主企画が増え始めているのも、一部で囁かれているように異世界や悪徳なんちゃらやらの勢力が衰え始めている証左ではないか、という希望を抱いています。

本作は、そういったテンプレ豊富なジャンル亡き後、立ち往生する若い書き手への大きなヒントになるでしょう。
私が言うのも変な話ですが、どうもありがとうございます。

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