23 着いたよ閻魔宮殿


「着いたー」と子供がはしゃぐように青空は言った。


菫横丁を通過して宮殿の目の前の数段しかない階段を軽く飛び越えるとそこは。


「改めて見るとデカいね、宮殿」


目の前には閻魔宮殿がありその前には宮殿への入り口であるゲートがあった。


「そりゃそうよ、八大地獄の総本山なんやからさ〜、閻魔宮殿は」と青空。


「お前ら話してないで早く入るぞ」と急がせる飛沫。


総本山、なんかお寺とかヤクザとかが出てくるアニメで聞く単語だな〜と思いつつ飛沫と青空の後を追ってゲートを潜る。




しばらく閻魔宮殿のなかを歩いているが広すぎて歩いてきた道が分からなくなってきた。

(初めてってのもあるけど)


「あ、そういえば凪に聞こうとして聞き忘れたけどさ」


「何、青空?」


「あのさ貨物駅で会った時から気になってたけどさ」そう言って青空は自分の手を自分のおでこへ持っていき「その痣、妖術でつけられたもんやろ?」と言った。


「う、うんそうらしいけど」


僕はそのまま肯定する。


「あ〜あ、本来の力なら治癒できるのになぁ〜」


「そ、そうなんだ〜」ヘェ〜


・・・・ん?今、青空から治癒できるって言ってなかった?


「青空?痣(これ)治せるの?」


「凪、俺の話を聞いてた?本来の力ならね」


ちょっと険悪な顔でこちらを睨んで言ってきた。

疲れててちょっと流し気味聞いてたな、反省反省。


「ところで青空、本来の力が出せないってどういうことなの?」


とにかく話しを進めたいので険悪な顔の青空に問いかける。


「んぁ〜、この前の仕事でね敵さんの攻撃を避けようとしてね雪兎と俺でドカーンってぶつかちゃってねそのままドーンって攻撃をくらちゃったせいなの」


「どゆこと?」


まったくもって話しが読めないんだけど。

擬音語入ってるし。(いつもなら白くんとかが訳してくれるんだけど)


「はぁ、話しを聞いてて呆れるぞ青空」


とここで前を歩いていた飛沫が割って入ってくる。


「つまり、簡単に言うとだな、敵の攻撃を避けようとしたら雪兎と青空で衝突したせいで攻撃をくらって、その攻撃の付属効果で青空コイツの能力が一部封じられてるんだ」


飛沫が説明し終わると青空がせいゆうこと醤油こととダジャレをいって肯定していた。

 

「てか、凪、お前の顔に痣なんかA」


「飛沫、話し本当に聞いてたの?妖術で付けられたんだから見えるも見えんも個人差なの」


「そうですか」と今度は飛沫が険悪そうな顔に。


「そのためにゑんま様の補佐官やってる様に治してもらおうと思ったらさ、EU地獄に居るってもんでこれまたもう」


と言い終わるとため息を吐き力をフルで振るいたいっとぼやく。


「あ、青空様」


と廊下の右斜め前にある右へ行くための廊下から鬼さん(やっぱり見た目はほぼ人間、ただし角付き)が青空に声をかけてきた。


「にゃに〜?にゃんかようでもあるの〜」


いつもの”な”を”にゃ”にすら話し方に戻った青空は鬼さんに問いかける。


蒼炎そうえん様がお呼びです。中庭へお願いします」


「ラジ〜」


ラジ、久々に聞いたな確か意味は了解ラジャーでりとかりょとかあるんだからラジャーもつくるー!ってことで青空が中学時代につくってたけ。


「じゃぁ、オルボワール(ごきげんよう)」


と言ってどこにあるかわからないけど中庭へ向かって行った。


しばらく飛沫につれられ歩いていると目の前には大きな扉が聳え立っていた。そしてそのドアは徐々に内側へと開いていく。






久々にやる知ってお得なこそこそ地獄話し

22話で青空が披露したコンコン拳は実はある少女が伝授したものだそうですよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

凪る嵐に光明を 雪風 @Yukikazeharuma

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ