緻密で繊細な、題どおりの「博物誌」

身分の証明として、装飾として、通過儀礼として、肌に色素を入れることで文字や紋様を描く、刺青の文化。
海の星・アルマナイマ星の海洋放浪民・セムタム族にとっての刺青(オルフ)の文化を軸に、伝統と神聖さの中に生きる側と、外から入ってきた側との感情の交錯が、繊細に描かれています。
図案の意味合い、色素やそれを肌に入れ込む素材、アフターケアに至るまで、緻密に作り込まれた題どおりの「博物誌」。
外から入ってきた側、ドクター・アムの瑞々しくも時に危うさのある感性と好奇心が、「痛み」を伴うネガティヴな一面を持つ行為を通して垣間見えるのも、文化の1ページを際立たせているようです。