日常と非日常、凡人と超人(人?)、そして巨大パフェ

人類が宇宙に進出した未来にも、年金制度は存在する!?
冒頭、そんな疑問(突っ込み?)が浮かんでしまった、海と龍の星・アルマナイマシリーズのスピンオフ。

様々な星々で人類が社会生活を営み、紙とペンでの記録や手動ドアが前時代的どころではないSFファンタジーの世界ながら、学生がアルバイトを探す様や、巨大パフェが「映える」といった感覚は現代日本にも通じるもので、ちょっと自虐的な書き手であるナンテン君も、世界観同様に親しみの持てるキャラクター。
そして彼の平凡な日常をひっくり返す、洋食エスニック混在の大量注文、炭水化物ばかりっていうかスイーツ2つかよ、ナゲットはソイなのはなんのこだわり?と突っ込みどころ満載の美男子、リチャード氏。

既にアルマナイマシリーズを愛読している側としては時々にやりとしてしまう描写もあり、これが開幕編であり、ナンテン君にとってはろくでもない思い出の「振り返り」でしかないというのもさもありなん、と笑ってしまいます。
ということでこれからも尊大で不羈奔放であろうリチャード氏と、それに振り回されるナンテン君を期待しております。