《名例律第一》『贖条』『婦人有官位条』『五位以上妾条』

『贖条』

凡応議請減、及八位、勲十二等以上、若官位勲位得減者之父母、妻子、犯流罪以下、聴贖。若応以官当者、自従官当法。其加役流、反逆縁坐流、子孫犯過失流、不孝流、及会赦猶流者、各不得減贖。除名、配流如法。其於二等以上尊長、及外祖父母、夫、夫之父母、犯過失殺傷応徒、若故殴人及廃疾応流、男夫犯盗、及妻妾犯奸者、亦不得減贖。


前の三条に該当する者、及び八位や勲十二等以上の者、若しくは先の減条該当者の父母や妻子が流罪以下の罪を犯したら、贖を許せ。もし官位の剥奪で補える場合は、当然官当の法に従え。懲役三年を加えられた遠流、謀反や大逆の縁座遠流、直系尊属を過失で殺した場合の流罪、不孝による流罪及び恩赦でも許されない流罪は、何れも減贖出来ない。除名、配流に関しては法に従え。二等以上の尊長、外祖父母、夫、夫の父母に対して過失殺傷を犯して服役すべき罪、また殊更に人を殴って廃疾はいしつにして流罪を課された場合、男性が盗みを働いたり、妻妾を犯したら、これらもまた減贖出来ない。


『婦人有官位条』

凡婦人有官位犯罪者、各依其位、従議請減贖、当免之律。


官位を持つ女性が罪を犯した場合、夫々の官位によって先までの条文に従え。


『五位以上妾条』

凡五位以上妾、犯非八虐者、流罪以下、聴以贖論。


五位以上の妾で、八虐を犯した者でなければ、流罪以下ならば、贖で論じることを許せ。



────


『贖条』では、贖による減罪が出来る場合と出来ない場合を規定しています。廃疾とは律令に定められた身体障害の階級分けの一つで、この上に篤疾とくしつが、下に残疾ざんしつがあります。

『婦人有官位条』『五位以上妾条』は、何れも先までの条文が及ぶ範囲を示しています。

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現代語訳 養老律 一条中納言従三位藤原朝臣公麿 @Lord_ichijo

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