ワイン

これが大人ですかって
ピュアは忘れきれなかったけど、抵抗できないんですか、
まだ青二才には早いかもしれないですけど、かなこっちの気持ちがぐんぐん分かる気がしました。これは作者の方の表現が、激ヤバだったからだと思います。春夏秋冬いつ読んでも、じんわり汗かいて、なーーーんかしんみりすると思います。ぜひ読みましょう。僕はチャコリ買いに行きます。
若者より。

１話、２話、３話と、
違う場所での
違う場面での
「二人」の関係を描いていて、
それが上手い具合に
サンドイッチされていることに
個人的にはすごく感銘を受けました。

一つ一つのシーンに
「あぁ、わかる、こういう感じ」が
読者の中に一つでも見つかった時、
読み手をぐっと惹きつける
そんな不思議な魅力のある作品です。

高校時代の恋人と大人になってばったり再会、という設定自体はありふれている――――けれど、作者の高い筆力による肉付けが、作品のクオリティーをぐんと高めています。

大人の関係を斬り結ぶための腹の探り合いや、ちょっとしたずるさや駆け引き。そして「私」の目から見た世界の細やかさと鮮やかさ。
たくさんの細かい描写、それによって起こる感情がロンドンから東京の回想を経てビルバオへと飛び移る舞台にしっくりマッチして、なんとも不思議な読みごたえがあります。
エッシャーのだまし絵、お行儀のよいレプリカ、ワインの苦味といった比喩に使われるモチーフもいちいち大人で洒落ていて、そしてとても的確。

なんだろう、なん…続きを読む

　お洒落でほろ苦い大人の話。若かりし思い出のけじめとも惰性とも再燃とも解釈できる。なにより二人の感情がもつれ合いつつもほどほどの距離を保とうとするのが小気味良い。本筋ではないが料理もおいしそう。適度にドライなお付き合いを楽しめた。