本当に、現実と非現実の境目が分からなくなる小説。

 文芸部四人で合作していた小説が、現実となっていく小説。
 いや、これは現実の物語ではないのか……?
 この作品を見ると、現実と小説の区別がつかなくなる、という感覚に襲われる。

 初めに感じたのは、恐怖だった。
 小説通りに現実が歪んでいき、四人が追い詰められていく。それは小説の書き手だからこそ、味わえる恐怖だった。しかし、ラストでさらに背筋が寒くなる。おそらく作者様の作風と筆力、そして何より罠が成せる技だろう。

 是非、ご一読下さい。