最高のエピローグ

 ぎゅるううううううう


 ……は、恥ずかしいっ!


「だから、朝ご飯はちゃんと食べろって言ったろ。ほら、食えよ」


 優しく彼は今日も非常食のクッキーを分けてくれる。

 そう、ここは屋上。

 今は二人だけの空間。


「気にしすぎだって」


「えーでも、他の子もっと細い子いるし……」


「俺はそのままのお前がいいの! わかった?」


「……うん!」


 もう女神では無くなったのに、お腹は正直らしいのだ。

 でも、そんな私への、彼の接し方は変わらないから嬉しい。

 あの頃のこと、何も覚えていないはずなのに。


 気が付くと、あの教室だった。


 女神の力は失われていて、もう他人から何かを吸収することとかはできない。

 最初彼に話しかけたときに、全く私のことを覚えていなかったのはかなりショックだった。


 でも、今はこうしている。


 だから、いいの!



「そうだ、今度の休みディスティニーランドいこうぜ、帰りはそうだな……食べ放題の焼肉にしよう!」


「勇人、変に気をつかいすぎ!」


 こらーと追いかけると、笑いながら逃げる。

 私は、彼の笑顔を独り占めできる幸せを噛みしめていた。

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暴食のメル・アイヴィー ~七つの大罪は私 英知ケイ @hkey

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