大河小説 南北朝時代／楠木正儀 伝

あまりにも深い造詣に夢中で拝読しております！すごい…すごい…！！

感無量で読破してしまった。これほどまでに引き付けられるものを見たことがないです。

鎌倉幕府が崩壊し、南北朝時代を経て、一時の安定が訪れる間に、武士や大名が形成され、それが後の世にどれほど大きな影響を与えたか、思い知らされる小説です。
応仁の乱や戦国時代に繋がる火種がそこかしこに隠されています。

また、後醍醐天皇と足利尊氏で語られる南北朝時代とは違う歴史観により、公家と武士の違いが手に取るように迫って来ます。
そのため、色々な考えの人間が出てきて、それらが今の日本人の考え方の根底に有るのだな痛感します。

二転三転どころか七転八倒のストーリー展開に翻弄されながら引き込まれました。

一番好きな場面は、正儀はじめ楠木軍の人々が、摂津の戦の際湊川まで駆けていくところです！
ウンウン、解るわー、その気持ち。と
ひとりごちてしまいました。
伝説伝承含めて、楠木、美木多、和田
などの、多数の登場人物を矛盾なく配置しているところが、凄いです。よく調べておられるなーと。
正成の隠し子の場面もよかったです。
現在なら、相続や訴訟で揉めそうですが(笑)、皆が喜んで受け入れてくれて、私もうれしかった。
何かと苦労の多い楠木一族ですが、結束強く、ほっこりする場面があるのも、救われます。
今you-tubeで、紅天女配信されています。
御存知かとおもいますが。
是非ご覧くださいませ。

非常に面白い歴史小説です。
私がNHKのドラマのプロデューサーなら大河ドラマに取り上げます。