明日の黒板

人の数だけ物語がある。その物語が複雑に絡まり合うから、人生は面白い。
みんながみんな、それぞれの人生の主役。そんな、当たり前だけど大切なことを、改めて考えさせてくれるのがこの小説の素晴らしいところです。
一粒で何度も美味しいこの小説。
一口、いかがです？

永遠のテーマ。
二枚目と三枚目はどちらがモテるのか？

いや、話を書く上で、最終的に花を持たせるのはどっちか。
そう考えた時、ストーリーはセオリーではありますが、安心して読める作品に仕上がっています。

主人公はキミだ！（誰だ？）
それは、読めばわかる。

全くもって個人的な見解からレビューを始めることに違和感を抱かれるかもしれませんが、それでも筆が止まらない心境をご理解願います。

群像劇のようにころころと視点を変える作品は好きではないというのが私の立ち位置です。

読者としては、物語の深みにつま先、膝、腰と順に浸かっていく過程を章ごとにリセットされるのは小説の醍醐味である感情移入を阻害する要素以外の何物でないと認識しています。
また作者としては、主人公をとりまく魅力的な登場人物たちの描かない言動・想いにこそ、他作品との腕の違いを見せる余地があるというのが信念です。

本作は自主企画ということで題材があらかじめ決められた中で物語が組み立てられ…続きを読む