大賞を受賞いたしました!『カクヨム2020夏物語』SF・ミステリー部門

 まずは、応援してくださった皆様へ、そしてTwitterなどでお祝いをくださった沢山の方々へ最大限の感謝を……。


 ありがとうございました‼︎


 ……という訳で、拙作『パンデミックが収束したから、ボクたちは日常を取り戻すために必死なんです。』が、『カクヨム2020夏物語』SF・ミステリー部門の大賞を受賞いたしました。

 受賞作は角川の『ダ・ヴィンチ2020年09月号』に掲載されるってんで、急いで書店に走って買ってきました。いや、本当に載ってるから、何だか笑っちまったよ。デュフフ……。


 あ、受賞作、読んでいかれます?


◇パンデミックが収束したから、ボクたちは日常を取り戻すために必死なんです。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054896395717/episodes/1177354054896395732


 受賞記念になにか残しておこうかと思ってこのエッセイを書いてるんだけど、早速書くことがなくなっちゃったな……。

 そうだねぇ。この小説が生まれた経緯でも、披露しましょうか。もしかしたら、誰かの何かのキッカケになったり、ならなかったりするかもしれないし。

 当然ネタバレも含むから、その辺はご了承を……。


 中間選考を通った時のエッセイにも書いたけど、この小説は俺にしては珍しく、賞が求めるであろう内容から逆算して書いたよ。書きたいものを書いた訳ではなく、賞が求めるであろうものを書いたって感じ。


 テーマの『2020年夏』はきっと、元の企画では『日本でオリンピックが開催される夏』のことであったはず。であるならば、今となっては『コロナ禍によってオリンピック開催が見送られる夏』と読み替えるしかないだろうし、そこを避けて通ることはできないだろうと考えた。


 避けられないのであれば、真っ向から書くしかないよね。変な角度から書いても、読み手には刺さらないだろうし。


 さて、真っ向から書くにしても、先行き不安な状況をありのままに書いただけでは、おそらく読み手に不安な気持ちや社会的な空気は伝わらない。足りないばかりではなく、なぜか嘘くさく響いてしまう。

 不思議だよね、現実をそのまま書くと、嘘くさくて伝わらないんだからさ……。


 こういう時は舞城王太郎先生に倣って、虚構をまぶすことにしている。小説のいいところって、こういうところだよね。伝えたいことを伝えたい形で伝えるために、自由に物語ることができるんだからさ。

 そうやって、あの緑の世界が生まれた。コロナ禍に対する不安や社会的な空気を伝えるために、緑に侵食された世界を設定したという訳。


 そこまで決まれば、後は手癖で書くだけなんだけど……まぁ、ここから先は俺の書き方だし参考にはならないと思うけど、文字数も足りてないし書いておくね(笑)

 虚構をまぶすだの、緑の浸食だの、実は最初から決めて書いている訳じゃなかったりするのね。恥ずかしながら書きながらでないと何も考えられない質で、プロットなんてまともに組めた試しがない。

 この小説も例に漏れず、登場人物を高校生にすることと物語の大枠だけ決めて、書きながら決めながら直しながら新たな案で上書きしながら、たった四千文字に「え?ちょっと筆が遅すぎね⁉︎」と自分で突っ込みたくなるくらいの時間をかけて行ったり来たりを繰り返しながら書いた。

 書いている時は、自分でも驚くほどの閃きが降ってくることがある。書いてない時は、まるでダメだ……。


 もう一つ俺特有の事情を披露しておくと……。

 風景描写や、状況描写なんて極力しないのがラノベ界隈の主流みたいだけど、俺は最低限の描写がないとどうも落ち着かない。四千文字リミットの応募作に無駄な文字列突っ込んでんじゃなぇよ!って感じはするけど、神は細部に宿るって信じてるし、その細部ってのはきっと描写のことだろうと思ってる。


 それだけに選評にあった河野編集長の一文は、本当に嬉しかったよ……。


"丁寧な描写によって、少年少女の閉塞感と爽やかさという矛盾した日常と、彼ら彼女らの暮らす変わってしまった世界の濃密な匂いや手触りまでもがリアルに伝わってきます。( https://kakuyomu.jp/contests/kakuyomu2020summer より引用 )"


 ちなみに言っておくと、執筆前に最終選考の審査員が誰なのか把握してたし、氏のインタビューや記事もいくつか読んだし、氏にターゲットを合わせることも念頭に置いてたよ。小説にどう影響してるのかは謎だけど……。


 ……と、まぁ、誰かの役に立つのか立たないのか判らない裏話はこの辺にして、まとめに入りましょうかね。


 今回の受賞、狙って書いて狙い通りに選んでいただけたこと、とても嬉しいし自信にもなった。

 でもね、実はまだスタートラインにも立っていないということだけは、再認識しておこうと思う。俺は職業作家になりたいのだし、今回の受賞だけではその場所にまるで届かないのだから……。


 慢心することなく、これからも全力で書いていく所存でございます。


 早速、次の賞にも挑戦中だよ。次に狙うのは『角川武蔵野文学賞』。

おっと、「また短編勝負かよ!」って言わないでね。武蔵野がテーマだし、見過ごせないのです。この辺は前回のエッセイで書いたから割愛するね。


 すでに参加作を二作公開してるよ。角川武蔵野文学賞でも頑張ってるので、ぜひ応援してください!(訳:参加作を読んだり、♡押したり、⭐︎押したりしてください!)


 最後に厚かましいお願いでごめんなさいね。(てへぺろ)

 今後とも、どうぞご贔屓に……。


◆角川武蔵野文学賞 たかなんの参加作

◇『創生の巌 ~ 武蔵野今昔がたり』無辺の萱原、深緑の林、武蔵野の明媚はどこへ。今と昔そしてこれからの物語

https://kakuyomu.jp/works/1177354054917932828/episodes/1177354054917932969


◇『武蔵野サイクリング』十キロの直線道路をひた走る。美人上司がいざなうツーリングの目的とは!?

https://kakuyomu.jp/works/1177354054917550989/episodes/1177354054917551005



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