表現力が大人びていました。彼の渇望する恋の熱はとても熱く、反するように彼女はするりするりと彼をかわしつつそばにいる。そんな情景が浮びました。
花岡 柊(はなおか ひいらぎ)と申します。 ビーズログ文庫から「マイペースな君」四六判で発売中です! あまり時間もとれず、なかなか皆さんのところへお邪魔で…
彼女への独占欲が強すぎる主人公の、焦がれる想いと満たせぬ苦しみをモノローグで綴った作品。次々と繰り出される比喩の数々は、狂気すら感じるほど。叙情的な筆致ながら、この時期特有の「周りの見えていな…続きを読む
激しい恋情を砂漠に喩えて心中を語らせる手腕がお見事でした。可愛く無邪気な彼女のおねだりと対比させることでさらに浮き上がる暗く重い想い。ふと、谷川俊太郎氏の「嫉妬」という詩を思い出しました。
誰だって愛する相手はあの手この手で褒め称えたい。ましてその相手が己を好んでくれているならなおさら。言葉が多すぎて、でも巧みに操れずに大渋滞してしまう少年の心の逸る心まで見えてくる作品です。
圧倒的な熱量でに読みながら眩暈がしそうでした。
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