永遠の苦しみから逃れるために結んだ呪いの契約

血と蝶に縛られた千房の家系。
結んだ契約から逃れることができず、何度生まれ変わろうが繰り返されてきた孤独と悲しみ。
奇病が流行った現代だからこそ、搔い潜るすべを見つけられたのか。
費やした長い年月から得られた言い伝えを駆使し、契約解除のための戦いが始まる。

とても広大な物語だった。
ここまで綿密に物語の構想を練るのは、一筋縄ではいかなかっただろう。
おかげで読者側としては、とても読み応えのあるものになっている。

すべてが解決したとは言い難いが、千房の家系を脅かし続けた血と蝶の呪いは、きっと少しずつ晴れていくのではないだろうか。
命を懸けて守り抜いた若者の血が受け継がれていく限り。

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