楽園への扉 (第27回座談会公開済み)

エントリー#27


作品名   楽園への扉

作者名   深海 映

作品URL  https://kakuyomu.jp/works/1177354054882710535



作品のキャッチコピー、あらすじ

『その文字列は楽園への扉を開く――』


脳科学研究所では一つの装置が開発された。それはHGD。脳波を人工知能が解析し、文字から音韻や意味へと繋げる脳の働きを助けてくれるのだという。この装置を試したディスレクシア――失読症の僕は文字が読めるようになったのだが、それと同時に『楽園への扉』を巡るおかしな事件に巻き込まれることとなる。



作者からの一言、メッセージ


「このお話は『けものフレンズ』でサーバルちゃんが文字を読めないシーンを見て、文字の読めない人を主人公にしよう!と思い書き始めた小説です。

 『虐殺器官』と似たようなテーマを扱っていますが、『虐殺器官』とはまた少し違う道へ進むラストにしてみましたので、是非読んで見てください!」



座談会


ななせ「さぁ、第二十七回『座談会』を開始します」


N氏 「うむ。今回の『座談会』も有意義にしていこう」


七瀬 「あれ、N氏が帰ってきてる? アイドルの追っかけはどうした?」


ななせ「アイドルのライブ中にSF小説を大量にまき散らして出禁になったみたいです……」


七瀬 「タイムリーなネタを放り込んでくるなあ……」


N氏 「下らない話題はそれくらいにしてもらおう! 我々は『虐殺の文法』を受け継ぐ作品について議論をすべく、このネットの海で言葉を綴っているのだから」


ななせ「なんかカッコいいことを言って誤魔化そうとしてるけど、まぁ、『座談会』を進めて行きましょう。今回のエントリー作品は『楽園への扉』。作家さんは深海映さん。ツイッターで親しくている作者さんですね。たぶん、カクヨムでは一番作品を読んでる作者さんなんじゃないかなあ?」


七瀬 「そうだね。レビューも色々書いているし、レビューを書いてない作品でも、だいたい目を通しているような気がする」


ななせ「短編を中心に投稿している作者さんで――個人的には、短い話の中で緩急のつけ方が上手いなあと。あと、オチの効いた作品が多いですね。『ロボットに育てられた少女』は人気のSF短編。他にも『異世界転移SF』、『花火はどこに消えたのでしょう』などが人気ですね。僕が好きなのは『アラサーだけどアイドルがしたい!』です」


https://kakuyomu.jp/works/1177354054880971878

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881054826


七瀬 「読みやすい文章で、描写が丁寧なのも特徴だね。この『楽園への扉』もとても読みやすい物語だったね」


ななせ「『ディスレクシア』――『失読症』の主人公の一人称で進んでいく物語なんですけど、この障害についての説明も非常に分りやすかったですね。話の筋は、ディスレクシアの主人公が、『HGD』という装置によって文字が読めるようになり、そのせいである事件に巻き込まれていくというものです」


七瀬 「脳機能の一部を人工知能の移すことで字が読めるようになるという設定は面白かったね。そして、字が読めるようになってたくさんの物語に触れていく主人公はとても微笑ましくて、子供の頃、難しい漢字の小説が読めるようになりはじめた頃を思い出したよ」


ななせ「『HGD』を提供してくれた小清水先生の誘いで日本語教室に通い出し、そこでング族のロブと出会ってから、物語はいっきに加速していきます。途中ホラーかなと思いました」


七瀬 「主人公とロブの会話で、『言語』について掘り下げていくんだけれど世界中には五千以上の言語があっても、その中の四割は文字を持たない。この文字を『持つ』、『持たない』の差が物語の後半に大きくかかわってくるんだよね」


ななせ「はい。具体的には書きませんが、とてもスケールの大きな話になり、最終的に人類は『楽園』を目指します。まさに急転直下で加速していきます! 最後に視点が変わってからのエピローグは、前半との対比が効いていて良かったです」


N氏 「『言語』が破滅へのトリガーになるというのは『虐殺の文法』のオマージュともいえるが、『虐殺の文法』が無差別に争いを拡大させて行くのに対して、『楽園への扉』は『文明』を持つ人類だけを対象としている点にオリジナリティが感じられた。増えすぎた人類を間引き、一から文明をやり直させるリセットとしての機能。楽園へ旅立った人がどのように過ごしてるのか、そこが分らなかったのが少し残念だ」


ななせ「作者らしい短編だったのではないかと思います。なんか、N氏が普通に解説していると違和感が……」


七瀬 「まぁまぁ、それは置いておこうよ」



ななせ「あと、作者の深海映さんは『終わり逝く星のクドリャフカ』という人気フリーゲームのノベライズもしていて、興味のある方は、こちらのほうもチェックしてもらえると嬉しいなあと思います」


https://kakuyomu.jp/works/1177354054881942690


N氏 「ではっ、『座談会』番外編『終わり逝く星のクドリャフカ』篇を開始しよう。そう、この星が終わり逝くまで――SFについて語り明かそうではないか! 我々はそのために、このネットの宇宙の片隅で出会ったのだから!」


七瀬 「そう。僕たちは何万光年の時を経て巡り合った流れ星――この一瞬の交錯をカクヨムという名の宇宙に刻みつけよう!」


ななせ「やべー、久しぶりに二人がニュータイプ的な共鳴をしてる……こんな感じで今回の座談会を終わりますー」



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